壁に刻まれた「神様助けて」の文字 難民の収容施設を体験 ガザ・ウクライナ・アフリカ…「国境なき医師団」が展示会
紛争・迫害などによって難民や国内避難民となった人は、国連難民高等弁務官事務所によると2024年5月時点で1億2000万人にのぼるといいます。そのような故郷を追われた人々の現状を伝える展示会「エンドレスジャーニー展」が、東京都内で開催されました。
■難民・移民のエンドレスジャーニーに“終わり”を
10月31日~11月4日に展示を行ったのは「国境なき医師団」。世界70か国以上の紛争地域・災害地域などで援助を必要としている人たちに医療を届けている非営利団体です。イスラエル軍からの攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ地区でも支援活動を行っています。 今回の展示会名は「エンドレスジャーニー展」。紛争や迫害などで終わりのない旅路を強いられている難民・移民の“エンドレスジャーニー(Endless journey)”を終わらせたい、“エンドディスジャーニー(End This journey)”にしたいという思いが込められています。
■支援の輪 一巻きの包帯やワクチンに
国境なき医師団の日本事務局長、村田慎二郎さんは、展示を見た日本の人たちに、「難民や避難民に何ができるかを考えるきっかけにして欲しい」といいます。 今回の展示会は「支援の輪」を広げることも目的とされています。日本からも国境なき医師団に寄付ができ、一巻きの包帯やワクチンなどに形を変え、必要としている人の元へ医療として届けられています。
■機械を使えば1分で設営 医療現場で使用の“テント”
会場では、国境なき医師団が支援を行う難民キャンプなどの写真や、医療支援で実際に使用されている道具が展示されています。 その1つが「エアテント」。多くの支援先では十分な医療を提供できる環境が整っておらず、病院が空爆で使用できないこともあります。そんなときに医療を提供する場所となり、機械を使用すれば1分、手動ポンプで空気を入れても10分ほどで設営することができるそうです。
■実際に感じる「難民の普段の生活」
会場には、難民の普段の生活を体験できるブースも設置されていました。 展示されていたのは20リットルの水が入った大きなポリタンク。世界には生活用水を離れた場所まで運ぶことが必要な子供たちもいます。実際に水を運び、その重さを体験することができます。体験した小学生は重さに驚いていました。「難民の人たちはすごく大変な生活をしていて大変だなと思った」といい、今後も難民の現状を学びたいと感じたそうです。