NPBのフジテレビ取材パス没収騒動、背景にMLBの日本シフトへの不安感 今こそやるべき…手つかずのリーグビジネス改革
だから今後も大丈夫だ、とは言えないし、MLBの日本シフトがより本格化しそうだし、人口減、趣味の多様化が進む日本において、ある日、潮が引くようにファンがいなくなる恐怖が、今回の取材パス没収の背景だと思う。しかし、ピンチはチャンスでもある。2004年の経営危機は、球団ビジネスを飛躍的に進化させた。今こそ、手つかずだったリーグビジネス改革に挑む好機かもしれない。
NSでいえば、映像権は知的財産でありNPBが一元管理するべきだが、テレビ各局に分散している。放送を担当する局もクライマックスシリーズで出場球団が決まってから割り振るため、広告営業を行う時間が足りない。歴史と伝統に彩られたシーズンフィナーレの真価を提供できるビジネス構造になっていないのが実情だ。「フィールドでは競争、ビジネスでは協業」の原則に立ち返り、ファンが望む価値を提供する構造改革が求められている。外圧がきっかけとなるのは日本のお家芸だが、今回もそれがNPBの新たな一歩につながれば、と期待したい。 (桜美林大教授・小林至)
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