孫氏、オープンAIの新モデル絶賛も出資については言及せず
(ブルームバーグ): ソフトバンクグループの孫正義社長は3日開催のイベントで、米オープンAIの新モデルについて「ノーベル賞もの」だと絶賛し、人工知能(AI)の未来について力強く語った一方で、同社への出資については言及しなかった。
孫氏は法人向けイベント「ソフトバンクワールド2024」で講演し、オープンAIの「o1」について力説。AIが「リーズニング(考えること)」できるようになり「ノーベル賞もの」だと評した。一方でソフトバンクGはオープンAIに5億ドル(約730億円)を投資する計画と報じられていたが、同社への出資については話さなかった。
o1について、孫氏は今朝行ったというエピソードを披露。「1000万円持っている。1億円にして返してほしい。戦略とメカニズムを述べよ」と質問。コモディティ、株、為替などへの投資について問いかけたという。画面からは真剣に考え悩んでいる様子が伝わり回答まで時間がかかったが、待っている間は「ニコッと笑いながら快感だった」と話した。
孫氏は、AGI(汎用人工知能)は従来よりも早い2-3年で実現、健康管理や買い物の代行などを行う「パーソナルエージェント」が生まれ、健康管理、買い物、投資までをこなすようになるとの考えを披露。さらに人工知性への進化で、AIが慈しみや思いやりなど人間と精神的な関係性を持てるようになると強調した。
AIを人工知能で終わらせれば恐ろしい武器になりかねないが、今後10年以内にAIは人工知性に昇華、超知性(ASI)という新たな時代が到来するとの考えを示した。
孫社長は国内通信子会社の6月の株主総会で、海外を中心に「次の大技を狙う。ダイナミックにやっていく」と今後の投資戦略について語っており、3日にはオープンAIが66億ドル(約9600億円)の調達を発表、ソフトバンクGが一部出資したことの報道もあり、詳細について何を語るのかに注目が集まっていた。