1ドル161円台に。水準訂正に晒される円安は「危険水域」に【播摩卓士の経済コラム】
■円を強くする政策こそ必要だ そこに、膨大な国債発行と、その半分以上を日銀が抱え込むという「異次元緩和のツケ」が今、重くのしかかってきているのです。 国債の利払い費の増加や日銀のバランスシートを意識すれば、おいそれと金利の上昇を認めるわけには行かず、その結果、円安を容認せざるを得ないと、少なくとも金融市場は見始めています。 「アベノミクスの最大の狙いは、円安にすることだった」というのは、当初から言われた一つの見方です。 確かにそれは達成され、日本経済の回復に一定の役割を果たしたという評価もあります。 しかし、その円安に歯止めがかからなくなりました。 あれだけ国債を発行し、中央銀行に買わせて、通貨供給量を増やせば、通貨の価値が下落して当然かもしれません。 今、円のバリューが再評価され、その信認が低下しているのであれば、今後の国民経済にとって、とんでもなく大変なことです。 通貨への信認を取り戻し、円を強くすることに真剣に取り組まなければならない局面に入っているように思えます。 播摩 卓士(BS-TBS「Bizスクエア」メインキャスター)
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