「自由」と「自己責任」が強さを作る! 賞金王の中島啓太や河本力らを生んだ日体大ゴルフ部【大学ゴルフ部の教え②木原祐二監督】
就任当時はゴルフ部には1、2人しかいなかった。練習場もなかった。それから20年、トッププロを輩出するまでになった。今年50歳の木原がゴルフ部に在籍する時代は、上下関係も厳しかった。 「時代もありますよね、でも、やはり世界と戦うとなると、昔ながらの"体育会"は意味がない。それより、自分たちのゴルフがよくなるにはどうするか、自分で考えなさいと。自分でやるのがゴルフ。気持ちも日常からコントロールできるように。自己管理がメインです。遊びも自己責任。それでゴルフがよくなるなら、息抜きのためならいいけれど、そこはもう自分で管理しないと。プロになっても同じですからね」 監督として苦しい時もあった。 「選手に恵まれただけです。ゴルフ部の先輩や後輩、周りの人にも結局助けられて、今は楽しい。最近の学生は、うちはアスリートを目指す子が多いからか少し子供っぽいなと思うことはある。でも、考えている子はものすごく深いです。僕らのときは平均点の学生が多かった気がします」
ゴルフ部の目標は、リーグ戦で勝つことではない
体育大学とはいえ、 「大学を卒業するのが第一、ゴルフはその次」 ときっぱり。 「高校から一つ皮をむいて社会に出ていくわけですから、そこは常に意識します。スターになる選手は素直ですよ。(中島)啓太なんか、本当に素直だし、朝練も一番早く来て、掃除も先にするような子ですから、練習している姿も含めて、いるだけで影響力がある」 ゴルフ部の目標は、 「リーグ戦で勝つことではない。入学時の夢を叶えられること。プレーは褒め称えも、怒りもしない。自分の目標を達成できる環境になっているか、自分がそういうふうに動いているかということが大切です」 自身の目標は、 「ゴルファーを、ゴルフファンを増やすことです」 という木原。見据える先は、部活動にとどまらない。 PHOTO/Tadashi Anezaki ※週刊ゴルフダイジェスト2023年12月19日号「大学ゴルフ部・新進気鋭の監督に聞いた! 育つ力」より一部抜粋
週刊ゴルフダイジェスト