オアシスのギャラガー兄弟は、外道からスターになった。/20代のとき、あのバンドは何をしていたか?
ギャラガー兄弟ほど、品性下劣なスターはいない。学生時代から窃盗罪などで警察の厄介になっていたが、兄のノエルはザ・スミス、5歳年下の弟リアムはザ・ストーン・ローゼズの影響によって音楽の道へ。共に地元・マンチェスターのバンドへ導かれる。弟は「バンド名をオアシスにするべきだ」と主張し、兄は「自分をソングライター兼リーダーにするなら入ってやる」と、相変わらずの悪童ぶりを発揮。しかし、ハッタリではとどまらず。1994年のファースト『Definitely Maybe』を全英チャート1位へ送り込んでいるところがすごい。ノエルは27歳、リアムは21歳だった。そこから30年後のつい先日に再結成が発表された。いまだ素行不良の兄弟だが、労働者の辛くやるせない気持ちを代弁しながら、「Live Forever」と歌うポジティブな姿勢がある限り、イギリス国民から愛され続けるだろう。 本誌特集: やっぱりバンドっていいよね。 text: Katsumi Watanabe(2024年11月 931号初出)
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