J2仙台は6位でJ1昇格プレーオフへ…試合後涙の郷家友太「今年の僕たちにぴったりな下克上」
◆明治安田J2リーグ最終節 仙台2―1大分(10日・ユアスタ) ベガルタ仙台は1―0の後半5分にMF郷家友太(25)が得点するなど、大分を2―1で下し6位。22年のJ2降格後、初のプレーオフ(PO)では敵地で3位・長崎に挑む。 試合後の郷家の目に、涙があふれた。宮城県多賀城市で生まれ仙台のジュニアユース出身。23年にJ1神戸からベガルタの昇格を手助けするために加入した。今季途中からゲームキャプテンとして責任を背負い、J1昇格POに導いた。「去年のふがいない戦績(16位)からここまで何かを懸けて戦う試合はなかった。すごく気合も入ってましたし、どこかでプレッシャーもかかっていた」。重圧から解放された11番の表情は穏やかだった。 1―0の後半5分、1万8631人が駆けつけたユアスタが、割れんばかりの歓声に包まれた。味方のパスから郷家が背後へ抜け出すと、GKとの1対1に滑り込みながら右足でシュートを放ちネットを揺らした。直後には何度も拳を握りしめながら雄たけびを上げた。「映像を見たらサブ組の抱擁を避けながらガッツポーズしていたので、相当うれしかったんだろうなと思います(笑い)」。我を忘れるほど興奮し、喜びを爆発させた。 今季から指揮を執り、就任当初に「最後の最後にJ1昇格POをつかみ取る」と目標を掲げ、有言実行した森山佳郎監督(57)。試合後のセレモニーでは晴れやかな笑顔で会場を盛り上げた。「選手がどうしても満員のユアテックスタジアムで(PO進出を)決めたいとのことで、先週は負けて帰ってきました。おかげで僕の髪の毛が300本くらい抜け、寿命も何日間か縮まりました。今日勝ったことで、J1に上がる確率が25%に上がりました。一番下の6位ですけど、こっからまくって、J1に上がりたいと思います」。 4年ぶりのJ1昇格まであと2勝。今季1勝1分けの3位・長崎と準決勝(12月1日、ピースタ)を戦う。「今年の僕たちにぴったりな下克上。まずは1回リフレッシュして、応援してくださる方の期待に応えられる準備をしたい」と郷家。自らのゴールで勝利に導き、昇格に王手をかける。(山崎 賢人)
報知新聞社