「あの元市長も合流し」“賞味期限切れ”蓮舫氏をしり目に…石丸伸二氏の「新党」に与党が“警戒感”
「このままではマズイ…」 与野党の関係者からそんな声が聞かれる。 東京都知事選(7月7日投開票)は現職の小池百合子都知事が下馬評通り、3選を決めた。次点は立憲民主党を離党した蓮舫氏を抜き去り、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が躍進した。 【紫のTシャツ姿で】すごい!都知事選の石丸伸二氏のお応援演説に駆けつけた紫の”石丸マダム”軍団 詳しく振り返ると、小池氏は得票数291万8015票で、前回’20年の選挙から約74万票減らした。投票率は前回より5・62ポイント高い60・62%だった。 問題は2位だ。 石丸氏が165万8363票獲得したのに対し、蓮舫氏は128万3262票。選挙戦中盤に2位の蓮舫氏を石丸氏が「猛追」と伝えられていたが、フタを開ければ、石丸氏に大きく差をつけられた。 「蓮舫さんは完全に賞味期限切れ。2位の座を死守できなかったのは痛恨でしょう。次期衆院選出馬がウワサされており、今回の都知事選は“顔見せ興行”的な部分もあったが、あまりの大敗ぶりに戦略を見直さざるを得ない」(野党関係者) 序盤こそ供託金没収ラインだった石丸氏は精力的な街頭演説で、支持を拡大。蓮舫氏が伸びを欠くなか、一気にまくっていった。 「リアルとネットをうまく組み合わせた。正直、石丸氏の主張は“東京をこうしたい”という具体性に乏しかったが、『古い政治を打倒する』というふわっとしたイメージで、若い世代を中心に支持が伸びていった。 インフルエンサーが次々と支持を表明し、切り抜き動画も不自然なほど大量に出回った。熱狂的な支持者も多く、街頭演説の熱気は小池さんよりも断然上だった」(全国紙政治担当記者) 与党と野党、そのどちらにも票を入れたくない層が石丸氏に1票を投じた。この“蠢き”は既存政党にとって脅威でしかない。 今年は世界各国で重要な選挙が行われ、英国は政権交代し、フランスも左派が躍進。韓国も与党が大敗した。米国大統領選もここにきてバイデン大統領の高齢問題が浮上し、予断を許さない状況となっている。 選挙番組のディレクターは 「世界で同時に地殻変動が起きている。日本も例外ではなく、マンネリ化した自民党と立憲民主党のバトルに国民は辟易。そのフラストレーションの受け皿として石丸氏がすっぽりハマった感がある」 と話す。 永田町では都知事選後の勢力図について、真偽不明の情報が乱れ飛んでいる。なかでも与野党が震えあがったのが「石丸新党」だ。前出の全国紙記者が語る。 「以前から周囲に“国政に出たい”ともらしている前明石市長の泉房穂さんらが“合流するのでは”という噂は出ていますよ。それで新党を立ち上げ、次期衆院選に150人以上の候補者を全国で立てるという。 資金面を援助するのは、石丸氏と親しいドドールコーヒーの鳥羽博道氏のほかに、有力実業家の名前も挙がっている。あくまで永田町の怪情報ですが、“現実味ゼロ”でもないため、与野党は警戒感を強めていますよ」 石丸氏は都知事選後に受けた取材で“新党設立”については 「現段階で何か党をつくろうという意思はない」 と否定している。だが、出演した『Mr.サンデー』(フジテレビ系)では、 「国政の可能性という意味では存在します。たとえば泉さんなり、橋下さんが新党を立ち上げるとおっしゃる場合は、ぜひ一緒に頑張りたいなと思う次第です」 と述べた。これはスタジオにいた泉氏と橋下氏を意識したリップサービスという向きもあるが……。 選挙後は石丸氏に厳しめなコメントをしている泉氏。そこで、石丸氏の印象や新党結成について質問状と共に取材を申し込んだところ、 《いただいた件につきまして取材はお断りをさせてください》 と事務所から回答があった。 何かと警戒感が広がっている「石丸新党」。自民党関係者は 「“石丸新党”が大きくなる前に叩いておく必要がある。岸田首相がダメージ覚悟で解散総選挙に踏み切れるかどうか」 と話す。 石丸氏は総選挙となった場合、岸田終章のおひざ元である広島1区からの立候補を匂わせている。今回の都知事選は後に「日本のターニングポイントになった」と言われるかもしれない――。
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