NBA伝説の名選手:マーク・プライス フィジカルな守備全盛時代にシュート力とゲームメイクで地位を築いたポイントガード
【NBAトップクラスのPGへ】 大学進学時と同様に、NBAチームのプライスに対する評価は高くなかった。しかし、1986年のドラフト1巡目25位でダラス・マーベリックスから指名され、当日にクリーブランド・キャバリアーズにトレードされる。しかし、このトレードはキャブズがイースタン・カンファレンスの強豪へと飛躍するうえで大きな意味があった。 プライスはNBA1年目を平均6.9得点、3アシストで終わったが、2年目の1987-88シーズンにスターターに定着。32分強の出場時間で平均16得点、6アシストまでスタッツを上昇させるだけでなく、キャブスの公式戦勝ち星増(31勝から42勝)とプレーオフ進出に大きく貢献。1988-89シーズンには、ラリー・バードに次いで史上2人目となるFG成功率50%、3P成功率40%、フリースロー成功率90%以上という偉業を成し遂げた。平均アシストも8.4本に上昇するなど、プライスはシュート力とゲームメイクのうまさを兼備したトップクラスのポイントガードに成長。このシーズンには、キャリア初となるオールスターゲーム出場を果たした。 キャブスと同じディビジョンに所属するデトロイト・ピストンズが2連覇した時のポイントガードだったアイザイア・トーマスは、何度もマッチアップしたプライスを高く評価している。 「マーク・プライスは、キャバリアーズでプレーした史上最高の選手のひとりだ。彼のシューティングとプレーメイキングは、さらに価値のある今の時代でプレーするのを見てみたかった。ステフィン・カリーが今日やっていることは、プライスが当時やっていたんだ。彼はドリブルからショットを打ち、フロアを広げるという先駆者だった」 1992年から3年連続でオールスターに選ばれたプライスは、1993年と1994年の3Pコンテストで2連覇を達成。1993年にオールNBAファーストチームに選出され、1994年の夏にはドリームチームIIのメンバーとなり、トロントで行なわれた世界選手権で金メダルを獲得する。