竜王戦「指宿対局」に臨む藤井聡太竜王と佐々木勇気八段に鹿児島弁Tシャツ贈呈へ…地元PRに期待
将棋の最高棋戦で、藤井聡太竜王(22)に佐々木勇気八段(30)が挑む第37期竜王戦七番勝負(読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス)の第6局が11日から鹿児島県指宿市の指宿白水館で行われる。指宿対局は2年ぶりで、2人の熱戦を観光振興にもつなげようと、期待の声が上がっている。(井芹大貴) 【写真】盤面を見つめる藤井聡太竜王と広瀬章人八段(2022年12月2日)
「藤井さんが使ってくれた反響はとても大きかった。今回も気に入ってもらえたらうれしい」
鹿児島弁をモチーフにしたユニークなグッズの開発、販売を手がける「カゴマニア」(鹿児島市西田2)の店長、脇素行さん(56)は期待を込める。
2021年12月、指宿市で行われた竜王戦の祝賀会で、県観光連盟が藤井竜王に桜島をあしらったカゴマニアのトートバッグをプレゼントした。その後の対局で藤井竜王が愛用しているのがSNSなどで紹介され、話題になった。県内外から注文が相次ぎ、一時は品切れになるほどの人気だったという。
今回も10日に指宿白水館で開かれる前夜祭で、カゴマニアのオリジナルパーカー(店舗限定)やTシャツなどが2人に贈呈される予定だ。県観光連盟から藤井竜王には「ヨカタイガー」、佐々木八段には「ソイジャガー」のデザインのものが贈られるという。
脇さんは「鹿児島を存分に楽しんでもらい、熱い戦いを見せてほしい」と、2人の対局を楽しみにしている。
県観光連盟の宮崎剛・事務局長は「以前、藤井竜王に贈った際に大変気に入ってもらえた。今回も2人に愛用してもらって、県内外に鹿児島をPRしてもらえたら」と期待。そのうえで「『将棋の聖地・指宿』という認知度の向上や観光客の増加につなげたい」と力を込める。
藤井竜王が初防衛飾った部屋
11月27、28日に和歌山市で行われた第5局では藤井竜王が91手で勝利した。シリーズ3勝2敗で、藤井竜王が防衛に「王手」をかけている。
今回の対局の舞台は、2年前と同じ指宿白水館の「離宮 和室」706号室。同館によると、部屋のテーマは「桜」で、広さは102平方メートル。窓からは錦江湾を一望できる。
2004年の日韓首脳会談の際には韓国の盧武鉉大統領が宿泊したことでも知られる。22年12月の指宿対局では、藤井竜王が広瀬章人八段(当時)に勝利し、初防衛を飾った。