「お母さんは、人生楽しんでます?」 やればできる子なのに…と、嘆く親に感じる違和感
お母さんが人生をガンガン楽しんで
それから、「興味の幅を広げる活動のヒント」ですよね。中学生が興味の幅を広げるには、面白い大人に出会うことが効果的です。私もそうでしたが、10代の子が興味のあることのすぐそばには「憧れの大人」がいたりします。娘さんが心底ワクワクするようなものに出合うきっかけづくりのために、面白い大人に出会える場所に、お母さんも一緒に出かけてみたらどうかな。 あとは、最強の方法があって、それは「お母さんが娘さんのロールモデルになる」こと。お母さん自身が、子どもそっちのけで人生をめちゃくちゃ楽しんじゃえばいい。子どもに一番影響を与えるのは、親の生き方だから。親からの心理的コントロールによっても、子どもは短期的には努力するようになります。でも、これは「やらないと叱られる」という強迫観念によるものなので、親元を離れると続かないんです。それじゃ意味がないですよね。 何歳になっても、「私の人生どう楽しもう?」と考えていいし、親が努力を続けて自己成長する姿を見せることが、子ども自身が人生で踏ん張る力を伸ばす一番の英才教育です。「これをやってみたら?」「あれはどう?」と子どもに押し付けるのではなく、親自身の興味があることをシェアするぐらいのテンションがいいと思います。「お母さんね、今度こういう資格取ろうと思っているんだ」とか、「今これにハマってるんだけど、〇〇ちゃんもちょっと聞いてくれる?」みたいな。 今は次にワクワクできることを見つけるための「余白」の期間だから、そんなに心配しなくても大丈夫。お母さん自身が人生をガンガン楽しんでる姿を見せながら、信じて、見守ってあげてください。
プロフィール
小林さやか(こばやし・さやか)/1988年、名古屋市生まれ。中学・高校でビリを経験。素行不良で何度も停学になり、高校2年生のときの学力は小学4年生のレベルで偏差値は30弱だったが、塾講師の坪田信貴氏との出会いを機に大学受験を目指す。その結果、1年半で偏差値を40上げて慶應義塾大学に現役合格を果たした。その経緯を描いた坪田氏の著書『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』は120万部を超えるミリオンセラーとなり、映画化もされた。大学卒業後はウェディングプランナーの仕事に従事した後、「ビリギャル」本人として講演や執筆活動を行う。2021年、聖心女子大学大学院文学研究科人間科学専攻教育研究領域博士前期課程修了。22年9月より米国コロンビア大学教育大学院に留学中。近著に『ビリギャルが、またビリになった日 ─勉強が大嫌いだった私が、34歳で米国名門大学院に行くまで─』(講談社)がある。
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