“貢献度”は大谷翔平より上でも1位票はゼロ 米老舗誌のMVP投票での逸材遊撃手への「評価」が話題に
今季も多くのスター選手たちが輝いたメジャーリーグ。そのレギュラーシーズンの結果をふまえた、“ある投票結果”が話題となった。 【動画】ポストシーズン初アーチ!大谷翔平が3ランを放つシーン キッカケとなったのは、現地時間10月4日に米老舗専門誌『Baseball Digest』による年間最優秀選手投票だ。野球記者や放送関係者からなる24人の投票で“MVP”を決した同誌は、1位にアーロン・ジャッジ(ヤンキース)を選出。続く2位に大谷翔平(ドジャース)、3位にボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)となった。 順位自体は「妥当」とも言える。その中で、特筆すべきは1位票の行方。ジャッジと大谷がそれぞれ12票ずつを獲得し、ウィットJr.には一つの票も入らなかったのである。 ジャッジはメジャートップの58本塁打に加え、144打点、OPS1.159をマーク。大谷は史上初となる「シーズン50本塁打・50盗塁」を達成。打者専任のシーズンで異彩を放った。その結果を考えれば、多くの1位票が入るのは当然だろう。ただ、ウィットJr.にゼロ票というのは小さくない驚きであった。 今シーズンのウィットJr.はMVP級の1年を過ごした。161試合に出場して、打率.332で首位打者を獲得。さらに32本塁打、109打点、長打率.588、OPS.977、31盗塁と軒並みキャリアハイの数字を記録。昨季にアメリカン・リーグ中地区最下位に沈んだロイヤルズを2位に押し上げる原動力となった。 近年、MVPを決めるうえで重要視され、打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標である『WAR』もジャッジに次ぐメジャー全体2位の10.4。これだけで言えば、ウィットJr.は大谷(9.1)よりも上である。 一躍ブレイクを遂げたウィットJr.への過小評価には一部の選手たちも論じている。今年8月にムーキー・ベッツ(ドジャース)がホストを務めるポッドキャスト番組『B/R Walk-Off』にゲスト出演したジャック・フラハティ(ドジャース)は、「ボビーは間違いなく特別な1年を過ごしている。でも、ジャッジとオオタニが揃って活躍しているからタイミングが悪かったと思うよ。本当に厳しい話さ」と断言。その発言は小さくない話題となった。 アメリカン・リーグのMVP争いでもジャッジ有利の見方が強い。その中で24歳の若き遊撃手にどのような評価が下るかは大いに注目だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]