突き止めた「犯人」の共通点 『還付金詐欺』大阪で今年すでに被害43億円 電話番号偽装し警察名乗る新手口も
■警察が突き止めた「犯人」のある共通点
そんな中、吹田警察署は、犯人のある共通点を突き止めました。 「松本」や「松田」など、「松」がつく名前を名乗る犯人からの電話。 吹田警察署で今年把握している還付金詐欺のうち、およそ95%がこの「松」がつく名前を名乗る「松グループ」の犯行でした。実際に吹田市内に住む80代の男性の家にかかってきた電話の音声があります。 【吹田市役所の松本と名乗る男】「私、吹田市役所の保険課の松本と申します。〇〇様ですね」 【電話を受けた80代男性】「〇〇です」 【吹田市役所の松本と名乗る男】「お世話になっております。本日ですね、ご確認のご連絡になるんですけど、今年の5月にですね、『累積医療費』と書かれたご封筒をお送りしたんですけれども、中身の方はご覧いただいてますでしょうか?」 吹田市役所の職員を名乗る「“松”本」。優しく丁寧な口調が印象的な話し方です。 「松本」は、金融機関に行けば還付金を受け取ることができると伝え、後ほど銀行の職員から電話がかかってくると話します。 そして電話を切ると、すぐに別の電話がかかってきました。 【銀行職員の福沢と名乗る男】「もしもしお世話になっております。三菱UFJ銀行本店営業部の福沢と申します」 【電話を受けた80代男性】「こんにちは。よろしくお願いします」 【銀行職員の福沢と名乗る男】「よろしくお願いいたします。今回使っていただく最新の(ATM)機械はですね、行員の方が横についてのサポートが原則できなくなっておりますので、今から伝える三菱UFJ銀行サポートコールセンターの方にご連絡をいただけましたら、国の資格を持った職員の方が、機械の操作方法一つ一つを丁寧に教えていただけますので」 すっかり信じこんでしまった男性が指定された金融機関に行ったところで、職員が「詐欺だ」と気づき、事なきを得ました。 同じく「松グループ」からの電話があった女性も「親切な話しぶり」に信じ込んでしまったといいます。 【電話を受けた60代女性】「穏やかで、丁寧すぎるくらい丁寧です。言葉巧みっていうか、とっても上品で、ちょっとインテリジェンスなんです。何の疑いもなかったです」 誰もが信じてしまうような、巧みな言葉。 電話をかけながらATMを操作している時、後ろに並んでいた男性が声をかけてくれたことで、被害にいたりませんでした。
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