40年来のタブーを犯したイスラエルのイラン攻撃 イランが迫られる苦渋の決断
核という選択肢
トランプ政権が2018年にイラン核合意から離脱して以来、イランは核爆弾の主要成分となるウランの濃縮を徐々に強化している。その備蓄は純度60%に達しており、兵器級の90%まであとわずかに迫っている。 イラン当局者らは、同国の核開発計画を兵器化するつもりはないと繰り返し述べる一方で、その可能性を西側諸国との交渉材料として活用している。 パルシ氏は、イスラエルがイランの抑止力を瓦解(がかい)させ続ける中、イランでは核開発計画の兵器化を支持する少数派の声が強まっていると述べた。その方向性と勢いについて同氏は、もしイランが実際に核抑止力を持っていたらこんなことは起こらなかったはずだと言っている人々と軌を一にすると指摘する。 専門家らは、イランがウランを兵器級にまで精製できたとしても、すぐに核兵器を製造できる能力があるかどうかという点に疑問を呈している。原爆の製造と実験の工程には何年もかかる可能性があるうえ、その核施設へのイスラエルの攻撃に脆弱(ぜいじゃく)性をもたらしうる。 パルシ氏は、もしイスラエルがイランの核施設を攻撃した場合、すぐに爆弾を得られるかどうかに関係なく、イランは核兵器の製造を目指すとの見方を示す。 「よりタカ派の米国大統領ですら、軍事攻撃は好まない。その結果、ある時点でイランが核武装する可能性が非常に高いからだ」(パルシ氏) ◇ 本稿はCNNのモスタファ・セーラム記者による分析記事です。