「もうやめてほしい」アメリカ財務長官の嘆き…アメリカ経済を利用し、4兆円もの儲けを出した「ヤバすぎる日本政府の収入源」とは
アメリカの顔色を伺っている
もう一つ、日本の財務省はアメリカの顔色をうかがっています。ドル売り・円買い介入をやる場合はアメリカの同意を得る必要があります。でも、このところアメリカの当局者からいい反応が聞こえてきません。 イエレン財務長官は4月25日に「為替介入はまれであるべきだ」と発言しました。日本の為替介入をけん制する発言と見えましたが、日本の財務省は4月29日、5月2日の2回、為替介入に踏み切っています。 もしかすると、この時のイエレンさんの発言は、日本向けというよりも、中国を念頭に置いたものだったかもしれません。中国は米国債を大量に売っています。不動産バブル崩壊後の中国経済を支えるため、人民元買いの介入を行っているからです。 要するに、「話がついている日本はいいが、中国はダメ」と言いたいのでしょう。 永濱:アメリカから見れば、中国のほうが余程問題でしょうね。 エミン:最初あの発言を聞いた時は「これは日本に対して言っているのだろう」と思ったのですが、その後に日本が為替介入しているので、日本の通貨当局とは話がついていたと見るのが適当でしょう。となると中国を念頭に置いていた可能性が高いと思います。 ただ、イエレンさんはその後も為替介入についてネガティブな発言を数回しました。あとの発言は日本向けだった可能性があります。そもそも為替には頻繁に介入すべきではない。金融政策の変更で為替を安定させるべきです。 『アベノミクスがもたらした「光と影」…日本経済が伸び悩むようになった決定的な「転換点」』へ続く
永濱 利廣、エミン・ユルマズ