【2024 Moto2 第13戦サンマリノGP】小椋藍が3勝目を挙げランキングトップに浮上!
見事なレースマネジメントを見せた小椋が今季3勝目!
2024年9月6日から8日にかけて、イタリアのエミリア・ロマーニャ州にあるミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリでMotoGP第13戦サンマリノGPが開催された。Moto2クラスはセルヒオ・ガルシア(MT Helmets - MSI)を筆頭に、小椋藍(MT Helmets - MSI)、ジョー・ロバーツ(OnlyFans American Racing Team)、アロンソ・ロペス(MB Conveyors SpeedUp)とタイトル争いが大混戦。そんな中、前戦アラゴンGPでは着実にポイントを稼いだ小椋がランキングトップのガルシアとの差を12としている。 【写真はこちら】フォトレポート・Moto2 第13戦サンマリノGP 土曜日に行われた予選ではトニー・アルボリーノ(Elf Marc VDS Racing Team)がポールポジションを獲得した。これまで何度も優勝経験のあるアルボリーノだが、意外にも中量級でのポールポジション獲得は初となる。今季はタイヤがピレリタイヤに変更されたり、ボスコスクロ勢の躍進もあり苦戦が続いていたアルボリーノ。しかし、前戦アラゴンGPでは速さを取り戻し、優勝したジェイク・ディクソン(CFMOTO Inde Aspar Team)との優勝争いを展開した。 良い流れに乗ったアルボリーノは自身初となるポールポジションを母国イタリアで獲得。地元のファンが見守る中、初のポールトゥウィンを狙う。 2番グリッドにはこちらもイタリア人ライダーのセレスティーノ・ヴィエッティ(Red Bull KTM Ajo)がつけた。第11戦では今季初優勝を挙げているが、前戦アラゴンでは振るわなかったヴィエッティ。母国戦で再び流れを引き寄せることができるか。 そして3番グリッドには小椋が入り、今季3度目のフロントロー獲得。これまで予選に苦しんでいた小椋だっただけに決勝での好成績が期待される。 小椋のライバルとなるランキング上位勢はロバーツが7番グリッド、ロペスが8番グリッド、そしてランキングトップのガルシアは24番グリッドと低迷。前戦同様苦しい位置からのスタートとなった。 気温31度、路面温度31度のドライコンディションの中、22周の決勝レースがスタート。アルボリーノがホールショットを奪い、小椋、ビエッティと続く。オープニングラップの最終コーナーでは6位を走っていたロペスが単独で転倒。コースに復帰するも最後尾まで後退してしまう。 レース序盤、小椋の背後には3番手に上がってきたアロン・カネット(Fantic Racing)が接近し、4周目に小椋を攻略。2番手となりトップのアルボリーノを追う。 カネットにパスされた小椋だったが、離されることなく走行。一方、4番手のヴィエッティはトップ3についていくことができず、優勝争いは早くも3台に絞られた格好だ。 そんな中、小椋を抜き2位に上がったカネットが0周目にアルボリーノをオーバーテイクしトップに浮上。これに反応した小椋も11周目にアルボリーノのミスを突き2位に上がりカネットを追う。 ピレリタイヤのニュータイヤだけに慎重な走りを徹していた小椋だったが、残り10周あたりでカネットとの差をつめ射程距離内に入っていく。 背後から勝負所を見極めていた小椋は、残り5周でカネットにヘアピンでアタック。ここはカネットにクロスラインでオーバーテイクとはならなかったが、その後再度チャレンジしトップに踊り出た。 後方では4位のビエッティが転倒し、3位アルボリーノもペースダウンしたことで、優勝争いは小椋とカネットの一騎打ちに。 小椋に先行を許したカネットだったが、1秒以内につけており再逆転を狙っていた。しかし、小椋は隙を与えずそのまま逃げ切りトップチェッカー。今季3勝目を挙げランキングトップに踊り出た。 チームメイトでありタイトル争いのライバルであるガルシアは粘りの走りで12位に入りポイントを獲得。しかし、小椋が優勝したため、12ポイントリードから一転、9ポイントビハインドになってしまった。 シリーズ後半戦に入ったところでついにランキング首位に立った小椋。次戦は当初予定されていたインドGPとカザフスタンGPが中止になったことで2戦連続でミサノでの開催が決定。 今回優勝したトラックでのレースということもあり、小椋にとっては追い風になるかもしれない。次戦は9月20日から22日にかけてエミリア-ロマーニャGPとしてミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで開催される。
河村大志