43歳男性に夫婦生活が「ない」理由とは?「これから死ぬまでレスなのかなって」【無子社会を考える】
世界でも類を見ない人口減少に直面する日本。「失われた30年」の経済弱体化も少子化の要因とされますが、昨今ではセックスレスの常態化も深刻な課題として浮かび上がっています。 昨年末、25年ぶり実施の『性機能障害の全国実態調査に関する報告』が発表されました。年齢別EDの有病率はなんと50歳以上で41.7%。また、性交頻度が1カ月に1回未満(1カ月間に1度も性交がない)を「セックスレス」としたところ、全体の70.4%が該当しました。 つまり、日本は少子高齢化と同時に、恐るべきレス社会に突入していたのです。これは人口問題そのものであり、我々は少子化どころか無子化社会を生きていると言えます。 これらの社会課題を男性側の視点で捉え、執筆を続けるライター・山下あつおみ氏が、レスを抱えた夫婦問題についてレポートします。
妻は39歳、会社の業績も順調に伸びている。でも、これから死ぬまでレスだろうな
「これから死ぬまでレスなのかなって」 このように語るのは埼玉県在住のケイイチさん(43歳/自営業)です。 ケイイチさんの家庭は専業主婦の妻(39歳)、息子(10歳)の3人家族。家業の問屋会社を引き継いだのは15年前のことで、社長だった父親が急逝したことがきっかけだったそうです。 「どうにかしなくちゃいけない。とにかく必死でやってきました」 経営のイロハも分からぬまま、毎日、現場で学んできたといいます。先代の父親の人望もあり、ケイイチさんが会社を引き継いだあとも、現在まで業績は順調に伸びているそうです。 結婚したのは10年前のこと。妻と付き合っていた頃に妊娠したことがキッカケでした。予定外ではあったものの、授かった命を大切にしたいと考え、ケイイチさんは家庭を持つことを決意したといいます。その後、仕事に家庭に多忙ではあるものの、自営業であるため時間をやりくりしながら、出来る限り子どもの学校行事にも参加しているそうです。 「正直、生活の中に夫婦の営みがあれば、もっと満たされるとは思います」 仕事をイキイキと語るのとは対照的に、ケイイチさんは少し苦しそうな表情を浮かべています。