NVIDIA CEOのフアン氏とソフトバンクG会長の孫氏が対談、日本全土をカバーするメッシュAI構想で日本の産業革命を実現
NVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏は、同社のビジネスイベント「AI Summit Japan」で登壇し、ソフトバンクとの日本での取り組みを紹介した。後半にはソフトバンクグループ 代表取締役 会長兼社長の孫正義氏との対談が行われ、AIやロボットに対する期待感を語った。 【この記事に関する別の画像を見る】 ソフトバンクは、NVIDIAのGPUを備えたAIデータセンターを日本各地に構築するほか、ソフトバンクの携帯電話基地局に、無線アクセスシステム(RAN、Radio Access Network)とAIを1つのハードウェアで機能できる統合ソリューション「AITRAS(アイトラス)」の本格開発を開始した。ソフトバンクだけでなく第三者のAIサービスも動かすことができ、「完成すれば日本全国をカバーする“AIグリッド”が重要なインフラの1つになるだろう」(フアン氏)と期待感を寄せる。 孫氏は、フアン氏とは「同じビジョンを共有できている。オオカミがお互いに匂いを嗅ぎ合うように、私たちも嗅ぎあっている」とコメント。フアン氏は「2匹の子犬を飼っているけど、そのたとえはちょっと……」と観客の笑いを誘いながらも、今回の取り組みを「これまでで最もエキサイティング、ダイナミックな未来の最先端にいるような感覚だ」と評価した。 AIインフラがメッシュ状に構築され、ネットワークで結ばれることで、人間のエージェントとなったり、共に働くロボットとなったりするなど、これまでの道具からスキルやタスクをこなし仕事ができるものになる。世界の労働産業は100兆ドル規模で、AIは単にIT業界の出来事ではなく、あらゆる産業の革命になる。 孫氏は「AIをもっと奨励すべきで、新しい革命をキャッチアップできるのは今、逃すわけにはいかない」と話し、AI革命の一翼を担うためにはインフラへの投資が必要だと指摘する。日本には350社のスタートアップがあるとし、「我々は、若い起業家達にAIで飛躍してもらいたい。そのためのインフラが整いつつある」とコメント。大規模なAIセンターによるインフラ構築と、プログラムを用意し、AIによる産業革命を促した。 フアン氏も「道路がなければ自動車産業は成り立たない。インフラ上に日本の産業が乗れれば、あらゆる種類の新しいサービス、新しい産業を栄えさせられる」とインフラの重要性を説いた。
ケータイ Watch,竹野 弘祐