松尾太陽(超特急)&安本彩花(私立恵比寿中学)が一度きりのスペシャルコラボ!注目アーティストが集結した「LIVE Meets Vol.5」レポート
お茶目さも覗かせつつ……松尾太陽の至極のステージ
そしてトリを飾るのは松尾太陽。スーツの上からカーキの上着を羽織り、安本とのコラボのときの装いとはほんの少し変えての登場だ。「最後まで楽しんでいってください」とあいさつをし、まず届けたのは「Magic」。ギターとピアノの音色にのせて、楽しげに歌い上げていく。「一緒に!」と声をかけると、客席の白のペンライトが一斉に揺れた。静かながら、徐々に熱が上がっていくのが感じられる。クラップを促し、始まったのは「The Brand New Way」。スクリーンにはMVが映し出され、ついそちらにも視線が奪われてしまいそうになる。が、何より、楽しそうに歌う松尾に引力がありすぎる。 「縦ストライプ改め、松尾太陽です!」と安本とのコラボでのコメントにかぶせて自己紹介をしたあと、客席に「楽しんでますか!」と問いかけ、そのレスポンスに「いいですね~!」と笑顔を見せる。「めちゃくちゃ楽しいです、こっちも。みなさんの熱量を感じるんですよね」とアーティストと客席の熱量で暑くなったという松尾。一回脱ぎますね、と上着を脱ぎ、ステージセットにあったハンガーラックを見つけ「ちょうどいいのがあった」とかけて満足げ。そしてバンドメンバーのギター・もんちゃん、キーボードのモロミーを紹介し、「この3人でお送りしていきたいなと思います」と挨拶。 改めて、超特急でのグループ活動のほか、それと並行して本名の松尾太陽で音楽活動をしていることに触れ、「せっかくLIVE Meets、いろんな方々が見に来てくださる方がいるということで」と、安本とコラボしたほかにも超特急の楽曲を……と「クレッシェンド」を披露した。スクリーンに超特急のロゴが映し出される中、透明感ある高音ボイスを響かせた。ついその美しい歌声に聴き入ってしまう。歌い終えると「超特急、いろんな楽曲がありますので、超特急を初めて知ったよ、松尾太陽という存在を初めて知ったよ、という方がもしいらっしゃったらぜひ覚えて帰っていただけたら嬉しいなと思います」。 もちろん、いろんな楽曲があるのは松尾ソロとしても同じだ。「今日はいろんな音楽を用意してきました」と、「体温」へ。響くキーボード、ギターの音、松尾の声が粒だって聞こえる。言葉が静かに心に落ちていく。シンとした会場に音が染み渡っていくが、それぞれがじっと聴き入っているのがわかる。アカペラでワンフレーズ歌い上げた場面では、思わず息を止めてしまう。歌い終えると大きな拍手か響き渡った。 続いては、「Hello」。今度は音が、声が弾む。そして客席のクラップも弾む。もう会場の音が松尾の思いのまま、そんなふうにも感じられる。ときにはリラックスした表情でセットにある椅子に腰掛け、おちゃめに微笑んでみたり。表情、表現豊かな歌声と存在全てで客席を魅了していく。 しかし、楽しい時間はあっという間だ。「今日はいろんな場所から遊びに来てくださった方がいらっしゃるかと思うんですが、楽しかったでしょうか」と問いかけると大きな拍手が。その拍手に笑顔で礼を伝えたあと「いま、ソロ活動の楽曲をいろいろ披露させていただいたんですけど、あんまり普段表立ってやっている機会ってそんなに多くなくて。これをいろんな方に聴いてもらえるのもめちゃくちゃ嬉しいですけど。何よりも、僕がねクラップしてください、とか手を振ったりとかみんながやってくれてる姿を見て、いやめっちゃ、ええやつやん、みんな……ってなりました」とにっこり。 「こんな温かな場所に自分がいられているのも嬉しい気持ちです」といい、「またLIVE Meetsが開催できること、また呼んでいただけるように、いろんな感情を共有できるようにこれからもがんばっていきますので、今後もよろしくお願いします」と真摯に語った。「またみなさんと笑顔で会える日まで」と最後に届けたのは「起承転々」。思いを込めるようにして歌い上げた。 「楽しかったー。また会える日まで!」と笑顔で手を振りながら戻ろうとしたところで………「忘れたらあかん」、とハンガーラックにかけた上着をとりに戻ってきた様子まで含めて最高のステージだった。 アーティストたちが集うLIVE Meets。さまざまな音楽が奏でられ、それらを享受できるのはなんとも幸福な時間だ。次はこのステージから、どのような音楽が届けられるのだろうか。 取材・文=ふくだりょうこ