人が辞めていく職場の「リーダー」が、人に仕事を頼むときに「やってしまっていること」・ワースト1
仕事を人任せにしすぎない。担当者が困りごとを周りに相談できる。そしていざとなったら誰かに引き継げる。任された人が「丸投げされた」と感じない仕組みを創るために、あなたができる行動を3つ挙げる。 ● 仕事に名前をつける まず、仕事やタスクに名前をつけよう。 その場ですぐ終わる突発作業ならさておき、今後も繰り返し行う仕事、ある程度の期間にわたって取り組む仕事であれば、何らかの案件名や作業名をつけたほうがいい。そうしないと進捗の説明はもとより、そもそもどんな仕事を、どのメンバーが持っているか、何のタスクでメンバーが忙しくしているのかさえ、お互いわからなくなる。 名前をつけることは、名もなき作業を「仕事」たらしめ、視覚化し、他者への説明や共有を可能にするための第一歩なのだ。 ● グループウェアに書き残す 仕事を頼んだ後は、その進捗や個々のタスクをTeamsやSlackなどのグループウェアのチャンネルやスレッドに書き留めてもらうようにしよう。 必要なドキュメントが格納されたフォルダへのリンクも、そのチャンネルやスレッドに投稿しておく。要は「ここを見れば自分もチームメンバーも状況がわかる」「ここを見れば説明しやすい」状態で仕事を進めるのだ。そうすれば、引き継ぎもしやすく、誰かに助けを求めやすくなる。 この仕事のやり方は、前述の「仕事に名前をつける」とも相性がいい。新たな仕事やタスクが振られた次の瞬間、グループウェアに仕事の名称のチャンネルやスレッドを立ち上げる習慣をつくろう。 ● ヘルプシーキングの場を創る チームメンバーに助けを求められる。 必要に応じて仲間のリソースを借りられる。 そういったヘルプシーキングのための場創りも欠かせない。 ・チームの定例会の最初の10分を、困りごとの声を上げる場とする ・「ヘルプ」というタイトルのチャンネルやスレッドをグループウェアに設け、あなたがまず書き込んでみる このようなところから始めてみよう。 もちろんヘルプシーキングが正しく機能するための、日々の対話能力の向上も不可欠である。 一歩踏みだす! ・仕事やタスクに名前をつけ、相談や説明が可能な状態にする ・グループウェアに足跡を残す ・ヘルプシーキングの場を創る (本稿は、書籍『組織の体質を現場から変える100の方法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です) 沢渡あまね(さわたり・あまね) 作家/企業顧問/ワークスタイル&組織開発/『組織変革Lab』『あいしずHR』『越境学習の聖地・浜松』主宰/あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOO顧問/プロティアン・キャリア協会アンバサダー/DX白書2023有識者委員。日産自動車、NTTデータなどを経て現職。400以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演を行う。『チームの生産性をあげる。』(ダイヤモンド社)、『職場の問題地図』(技術評論社)、『「推される部署」になろう』(インプレス)など著書多数。
沢渡あまね