「パソナファンド」万博レガシーとして創設へ…心身の健康・幸福「ウェルビーイング」事業への進出見据え
人材サービス大手のパソナグループは、4月に開幕する大阪・関西万博に合わせて、心身の健康につながる事業の創出や起業を支援する最大30億円規模のファンドを創設する。「いのち」をテーマとする万博の成果が生かせるアイデアを国内外から募っており、万博のレガシー(遺産)として新たなビジネスを生み出したい考えだ。 【図表】パソナグループのパビリオンの主な展示内容
ファンドは万博が開幕する4月13日に始動する。すでに、〈1〉からだ(医療や睡眠)〈2〉こころ(芸術やスポーツ)〈3〉きずな(孤立対策や地域の絆作り)――の三つのテーマで、事業のアイデアを募っている。2月10日まで募集し、寄せられたアイデアから約50件を選んで出資や起業のサポートを行うという。
パソナは万博で医療と健康をテーマとするパビリオンを出展するのを機に、「ウェルビーイング」(心身が健康で幸福な状態)分野の事業に乗り出す方針を打ち出している。ファンドには支援を通じて有望な協業先を探す狙いもある。
南部靖之代表は「万博を日本経済の活性化に向けた新産業を創出する場にしたい。パソナとしても人材サービスに次ぐ事業の柱を作る」と話している。
新興企業へ出資も
パソナグループは、大阪・関西万博への参加を機に「ウェルビーイング」(心身が健康で幸福な状態)の実現をサポートする新事業の創出に乗り出す。30億円規模のファンドの創設はその第一歩で、人材サービスに続く第二の事業の柱を育てる狙いだ。(都築建)
ファンドは「パソナネイチャーバースファンド」と名付けた。想定する支援先は様々で、例えば新興企業なら、事業化に向けた出資を検討する。個人に対しては経営の専門家による助言を通じて起業を支援する。
パソナは兵庫県の淡路島に本社機能を置いており、島内の豊かな自然を生かし、観光や芸術、(スポーツを通じて健康増進を図る)スポーツウェルネスといった分野での事業展開を想定する。島内で事業化を目指す場合、オフィスを提供することも検討するという。