会話の相手として魅力的な人とは?仕事にならなくても、歳を重ねて得た「感動という埋蔵量」が、人生を明るくしてくれる
50歳になり、「これからどうやって生きていこう…」「仕事や人生に疲れを感じている…」など、これからの人生に不安や焦りを感じている方もいるのではないでしょうか。エッセイストの松浦弥太郎さんは、50歳からの人生のコンセプトを「おもしろく、楽しく、好きなように」と決め、10歳の少年のように無邪気に生きることを理想としているそう。そこで今回は、松浦さんの著書『50歳からはこんなふうに』より、これからの人生をおもしろく・楽しく生きるためのヒントを一部ご紹介します。 【書影】50歳からの人生を「おもしろく・楽しく」生きるための47のヒント。松浦弥太郎『50歳からはこんなふうに』 * * * * * * * ◆自分の中にたまっている「埋蔵量」を意識する 人生の後編の物語を、まるで少年のように元気に楽しく歩いていくには、単にがむしゃらに進むというわけにはいきません。 放っておけばどうしたって体力は衰えてしまうものですし、時間も有限です。 だから、自然体でむりなく、自分の持ち味を発揮できるものを賢く選ぶことが大事なのだろうと、僕は気づきました。 ただでさえ、これからはAIと一緒に仕事をすると言われる時代です。 正確さや速さを求められるような仕事のほとんどはAIに任せるようになるでしょう。そんな時代の中で人が「自分の存在価値」を発見していくには、その人にしかできないことを活かしながら社会とつきあうという道筋を探すしかないのだろうな。でも、どうしたら「その人にしかできないこと」って見つかるのかな。 ぼんやりと考え続けていたらふと、思ったのです。もしかしたら、年齢を重ねることがアドバンテージになる時代へとどんどんなっていくのかもしれないと。
◆年齢を重ねるということ なぜなら、年齢を重ねるということは、それだけ長く生きているという意味であり、長く生きた分だけ経験の数やそれにともなう知識や技術の量も、ゆたかに積み重なっているという期待がもてるからです。 「これを身につけよう」と意識して吸収した知識・技術だけでなく、無意識に行動が向かって、いつの間にかたまっていったものもたくさんあるでしょう。 自分の中にたまっているものの量――「埋蔵量」を意識してみましょう。 たまっているものは何なのか。たとえば、自分という空間の中に、いくつものガラスの瓶が並んでいるとしたら、中身がいちばん多い瓶のラベルには何が書いてあるのか。 そのラベルの文字を発見することが、「自分にしかできない何か」との出会い(もう出会っていたけれど、真正面から出会い直すという感覚)となり、そこから先の人生を支えてくれるものになるのでしょう。 「年齢を重ねるほどに、何かしらの埋蔵量は増える」という気づきは、僕にとって大きな希望となりました。
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