Dios、会場全体がダンスフロアへと変貌! 『ガソリンツアー 2024』全国ツアー最終公演に密着
鋭利なメロディを奏でるギター、壮大なスケール感をたたえたサウンドの中で、たなかのリリカルな歌声が響いた「鬼よ」からライブは後半へ。ラウドロック的なダイナミズムと繊細なサウンドスケープが共存する「紙飛行機」、たなか、ササノのツインボーカルで披露され、〈Lalala〉の大合唱が巻き起こった「花束」、さらにインディーポップ×サーフロックな音像が楽しい「サマー・テープ」へ。高いスキルと独創性を併せ持った3人が、ステージの上でどこまでも自由に音楽を楽しむ。そんなピュアな佇まいもまた、Diosのライブの大きな魅力だ。 クライマックスの始まりを告げたのは、「愛がすべて」だった。様々なクリエイターが参加した『ガソリン EP』の中で唯一、メンバー3人だけで作ったこの曲は(タイトル通り)愛の大切さを真っ直ぐに描いたナンバー。そこに込められた暖かいエモーションは、観客ひとりひとりの胸にしっかりと刻まれたはずだ。 “あなた”との共依存的な関係を抜け、ひとりで立とうとする“あたし”の姿をポップに昇華した「スタンダロン」では、ササノがハンドマイクを持ち、ステージの前方へ。たなか、ササノ、Ichikaが並んで立ち、楽曲のテーマを視覚的にも表現してみせた。続いては「&疾走」。体と精神が求める“正しいフォーム”で走れ! とリスナーを鼓舞するこの曲のテンションは、ライブという場所でこそ真価を発揮する。本編の最後は「これからも喜びを燃やして走り続けよう」(たなか)という言葉に導かれた「My Gasoline」。新作『ガソリン EP』の軸になる、この曲の〈不幸なんかじゃ燃えない〉というフレーズは、現在のDiosのモチベーションであると同時に、現代社会を生きるすべての人に有益なメッセージを含んでいる。3人のチアフル&パワフルなステージングが、そのことをはっきりと証明していた。 アンコールの1曲目は、2025年1月にリリース予定の新作EP『脱構築β EP』からの先行配信曲「呆然」。Seihoがトラック制作を担当したこの曲は、エレクトロサウンドを軸にした爽快なダンスポップチューン。この先のDiosのライブにおいても、大切な役割を果たすことになりそうだ。さらに「自由」「アンダーグランド」とDiosのアンセムを繋ぎ合わせ、溢ればかりの感動とともにライブはエンディングを迎えた。 前述した通り、2025年1月に新作EP『脱構築β EP』をリリースする。EP『ガソリン EP』の続編にあたる本作は、新曲6曲が収められたCD、『ガソリンツアー 2024』ファイナル公演の映像を収録したBlu-rayの2枚組。さらに2025年2月には対バンツアー『脱構築β with』を開催。2月11日の宮城・Rensaから18日の東京・Zepp DiverCity(TOKYO)まで計5会場でライブを行い、各公演の出演者は追って発表される。12月1日23:59までチケットの先行予約を受付中。音楽的な精度とメッセージの強度を高めながら、喜びを燃料にしてスピードを上げているDiosの新たなアクションにぜひ注目してほしい。 Text:森朋之 <公演情報> 『Dios ガソリンツアー 2024』 2024年11月19日(火) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂) 【セットリスト】 01.Loopback 02.Bloom 03.天国 04.裏切りについて 05.劇場 06.また来世 07.トロイ 08.ラブレス 09.Virtual Castle 10.Misery 11.逃避行 12.ダークルーム 13.王 14.鬼よ 15.紙飛行機 16.花束 17.サマー・テープ 18.愛がすべて 19.スタンダロン 20.&疾走 21.My Gasoline EN1.呆然 EN2.自由 EN3.アンダーグランド <リリース情報> Dios「呆然」 2024年11月20日(水) 配信リリース <ツアー情報> Dios 対バンツアー『脱構築 β with』 ■2025年 2月11日(火) 仙台・Rensa 2月13日(木) 愛知・Zepp Nagoya 2月14日(金) 大阪・Zepp Osaka Bayside 2月16日(日) 福岡・UNITEDLAB 2月18日(火) 東京・Zepp DiverCity