加藤ローサ 芸能界デビュー時からずっと寄り添ってくれている“ROSAの癒やし”
「大切なモノ、どうしてもひとつに絞れなくてふたつ持ってきちゃいました。両方でもいいですか!? 嬉しい!」 【写真あり】加藤ローサの写真をもっと見る 結婚して母親となっても変わらない、弾けるような笑顔で加藤ローサ(39)が見せてくれたのは、きれいなガラス瓶とシンプルな黒いハイヒール。 「どちらも、私の人生の半分くらいの間、ずっと寄り添ってくれているモノなんです」 ガラス瓶に入っているのはアロマオイル。蓋を取ると、部屋にバラの香りがふわりと漂った。 「20歳の誕生日に、当時の所属事務所のスタッフさんと、お世話になっていたスタイリストさんから、アロマランプとセットでいただいたんです」 鹿児島県の高校生だったときに出演した結婚情報誌のCMで注目され、卒業と同時に上京。モデル、タレント、女優として、目がまわるほどの多忙な日々が始まった。 「たくさん仕事をいただけてありがたかったのですが、何もわからないまま現場に放り込まれた感じで、毎日を過ごすのが精いっぱいでした」 心のゆとりを失いかけていたとき、癒やしとなったのが、自身の名前と同じROSA、バラの香りのアロマだった。ランプは壊れてしまったが、いまでもときどき蓋を取って香りを嗅ぐという。 「そうすると、一瞬にしてあのころのことが甦るんですよね。当時、利用していた駅のホームの景色とか、部屋の家具の配置とか。香りって、なんだかタイムマシンみたいですよね」 バラの香りとともに歩んできた加藤が現在、出演しているのは、香りがキーワードとなっているドラマ『きみの継ぐ香りは』(TOKYO MX)。 大学時代に親友だった、加藤演じる星井萌音(もね)と星野真里が演じる広瀬桜は18年後、母親同士として再会し、香りによって2人の時間がまた動きだすことになる……。 「実生活では2人の息子の母親なので、高校生の娘がいる役はとても嬉しかったですね。一緒にパンケーキを食べるシーンなんて、楽しくて楽しくて(笑)」 ――娘がいたらこんな感じかな、と? 「そう! 撮影の合間におしゃれやスイーツの話なんかして、娘の母親気分を満喫しました」 萌音の娘・叶(かなえ)に初めてできた恋人は、なんと桜の息子・透輝(とおき)。しかも、桜は大学時代に萌音に思いを寄せていて、気持ちを断ち切るためにシングルマザーになっていた。 「お話をいただいたときは、自分に演じきれるか少しだけ不安でした。でも、桜を星野さんが演じると聞いて、萌音のことがパーッとクリアに見えた気がしたんです」 星野もまた、1児の母親。桜が息子を生んだ気持ちを吐露するシーンでは、萌音として、そして同じ母親として、涙があふれそうになったという。 「私は26歳で長男を、2年後に次男を授かって、しばらくは子育てにどっぷりの生活でした。その経験が女優として生きているのかどうかはわからないけど、若いころより人の気持ちを理解できるようになったかなとは思います」 2人の息子たちの大切な日に、母親として履いてきたのが黒いハイヒール。 「自身初の月9ドラマ『CHANGE』(フジテレビ系)のとき、23歳だった私は撮影現場にビーチサンダルとかを履いて行ってたんですね(笑)。それを見た共演者の方が『ちゃんとした靴、持ってないの?』って、誕生日にプレゼントしてくださったんです。『サイズが合わなかったら、交換できるようにお店に伝えてあるから』って」 先輩俳優から贈られたシンプルなハイヒールは、息子たちの入学式や卒業式など、ハレの場で活躍し、傷んだところを直しながらまだまだ現役。 「その方とはその後、なかなかお目にかかる機会がないのですが、お会いしたらあらためてお礼を言いたいですね」 初心を思い出させてくれるバラ……ROSAの香りと、母親として、女優として、力強く前へ進む足元を支えてくれたハイヒールは、これから先も加藤ローサの人生とともにある。 かとうろーさ 1985年6月22日生まれ 鹿児島県出身 2001年より芸能活動を開始し、ファッションモデル、女優として活躍。おもな出演作は、ドラマ『女帝』(テレビ朝日系)、『プロゴルファー花』(読売テレビ・日本テレビ系)、『きれいのくに』(NHK)、映画『天国はまだ遠く』など 写真・中村 功 取材&文・工藤菊香 ヘアメイク・三宅茜 スタイリスト・浜木沙友里
週刊FLASH 2024年11月26日号