元グラドルの発信力を故郷で生かしたい 久保百恵・八戸市議
4月26日の青森県八戸市議選で、かつてグラビアアイドルとして活動した久保百恵氏(29)が無所属で立候補し、堂々の3位で初当選を果たした。「自分をモデル・タレントとして売り出すよりも、若い人ややる気のある人をサポートし、県外に行かなくてもこの町で輝けるようにしたい」。華やかにも見える芸能の世界から故郷の市政へとかじを切った転機、また、「美しすぎる対決」などと報道された選挙戦をどう見たのかを振り返ってもらった。
アイドルから政治への転機
今月13日(土)から、八戸市を舞台にした映画「ライアの祈り」(鈴木杏樹主演)が全国公開される(青森県内は先行上映中)。朝市や昭和の匂いが漂う横丁、三陸復興国立公園に指定された種差海岸といった八戸を舞台にした作品で、出演もしている久保氏は「八戸で映画撮影に携わることができるのは本当に夢のような話」と語る。しかし、同氏が芸能界を夢見ていた小さい頃は(おそらく現在もそうだが)、イベントをはじめ、制作会社や広告会社が集中する東京に足が向かうのはごく自然の流れだった。 ベッキーやスギちゃんでも有名な「サンミュージックプロダクション」に所属して活動していたが久保氏だったが、「大好きな家族や友達がいる八戸の空気がすごく好き」という思いは消えず、2009(平成21)年4月からは芸能活動の拠点を八戸に移す。「東京ではずっと自分が『商品』で、自分自身を表現するという気持ちだった」。故郷に帰ってみて、八戸三社大祭のお通り中継や地元の情報番組、八戸を拠点とするアイスホッケーチーム「東北フリーブレイズ」の応援番組などに出演し、「そこに住んでいる人の熱さや無償の思いに触れ、町づくりというものにすごく興味が湧いた」と考えが変わっていったという。 2013年、モデル事務所を設立して代表に就いてからは、登録してくれたモデルが活躍できる場が八戸にはなく、かつての自身と同じように県外に行く姿も目にしてきた。「知り合いの娘さんが就職するのに、本当は離れたくなくて地元が大好きなんだけれども、やっぱり収入面で県外に行く。お母様が寂しがっておられるというのを聞いたりすると、なんとか変えていきたいなとすごく思うんです」。