中国が有人宇宙船打ち上げ成功、「天宮」に飛行士輸送
Florence Lo Eduardo Baptista [酒泉(中国) 30日 ロイター] - 中国は30日、有人宇宙船「神舟19号」の打ち上げに成功した。搭乗する3人の飛行士を独自に建設した宇宙ステーション「天宮」に送り込み、さまざまな科学的実験を行う予定だ。 国営メディアによると、神舟19号は現地時間午前4時27分(2027GMT)に中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、ロケット「長征2号F遙19」を切り離した。 中国有人宇宙機関(CMSA)の副主任は前日の会見で、神舟19号の飛行中には86の科学的実験が宇宙空間で実施されると説明した。 実験の中には、月の土壌に似せた素材でつくられたレンガが宇宙でどのような状態になるかを調べることも含まれる。 中国は2035年までの月面基地完成を目指しており、このレンガに問題がなければ基地建設に利用する方針。地球から資材を運ぶよりも手間がかからないためだ。 レンガは来月、無人宇宙船で送る予定。 6月には国際宇宙ステーション(ISS)に米ボーイングの宇宙船「スターライナー」で到着した米航空宇宙局(NASA)の飛行士2人が、スターライナーの推進装置を巡るトラブルで帰還時期が見通せなくなる問題が発生した。 CMSAの副主任は同様の問題を避けるため、緊急対応計画を間断なく最適化し続けていると説明。必要なら「神舟20号」を搭載するロケットが救援に向かう用意もあると付け加えた。