ライオン職場の各フロアに「ハミガキ専用ブース」を設置 歯磨き習慣あっても欠かせないプロケア、全従業員の受診が目標
【わが社の「健康経営」】ライオン(2) 近年、口の中の歯周病菌が、糖尿病や認知症などの病気と関わることがわかってきた。そのため、日本政府は生涯を通じた歯科健診(国民皆歯科健診)の実施を目指している。業種に関わらず、定期健康診断に歯科健診が加わる可能性が高い。そんな制度とは無関係に、長年にわたり歯科健診と従業員の予防歯科習慣をサポートしているのがライオンだ。 【画像】永久歯の歯列 【予防歯科プログラムは70年代】 ライオンといえば「ハミガキ」。1900年に粉ハミガキによる社会貢献活動(慈善券事業)を開始した歴史を持つ。以来、口腔衛生の普及活動に力を入れ、社内歯科健診やブラッシング指導なども70年代から行う。 「健康保険組合や、外郭団体のライオン歯科衛生研究所と協力・連携し、2002年から従業員の自己管理能力の向上を目指した『ALOHA』を展開しています。現在、『ALOHA第7期計画』を進めています」と、同社人材開発センター健康サポート室の五十嵐章紀室長は説明する。 「ALOHA」は、歯科健診や保健指導、社内でのキャンペーンや施策に合わせた情報発信、口腔状態ハイリスク者への受診勧奨など、さまざまな取り組みがある。その結果、昼食後の従業員のハミガキ実施率は78%、デンタルフロスの使用者率も78%と、口腔ケア意識の向上につながった。その意識を後押しするため、23年業務開始の本社ビルには、ハミガキ専用ブースを各フロアに設置したという。 【新入社員からセミナー】 「予防歯科では、セルフケアと歯科医院で行うプロケアが欠かせません。しかし、プロケアを実施していない従業員が約4割います。全員がプロケアを受けるのが目標です」と五十嵐室長。 歯磨き習慣をきちんと行っていても、歯と歯茎の間には歯垢・歯石がたまる。それを清掃するのがプロケアだ。歯や歯茎の状態もチェックし、ハミガキ指導を適切に受けられるメリットがある。が、忙しいと歯科へ行くのは二の次になりやすい。 「プロケア受診では上限2000円の補助金があり、ライオンの健康管理システム『GENKIナビ』のポイントも、100ポイントつきます。それでも、行かない従業員はいるのです」(五十嵐室長)