2024年 注目の鉄道ニュースは? 新幹線開業に新型新幹線・特急車両のデビューも
■消える「かつての大動脈」 根室本線 約120年の歴史に幕
赤字ローカル線をめぐる問題は2024年も大きな課題の1つです。 利用者の減少で2024年廃線を迎える鉄路があります。JR北海道は根室本線富良野~新得間81.7キロの営業を3月31日をもって終了します。といっても、このうち東鹿越~新得間は2016年の台風10号で被災し、バスによる代行輸送が7年以上続いてきた区間ですでに列車の運行は途絶えています。 廃止区間は1981年に短絡ルートとなる石勝線が開通するまでは、札幌と道東方面を結ぶ幹線ルートでまさに「大動脈」でした。特急や急行、貨物列車なども行き来し、途中の交換駅はかつての長い編成に対応するように造られていますが、いまは基本1両のみのディーゼルカーが1日5往復行き交うのみに(下り1本は回送)。時の流れを強く感じざるをえません。 ちなみに廃止区間の途中にある布部(ぬのべ)駅はテレビドラマ「北の国から」、幾寅(いくとら)駅は高倉健さん主演の映画「鉄道員」の舞台でもありました。
■「芸備線」全国初の再構築協議会 議論の行方は…
一方で、廃線危機を迎えている鉄路の行方も気になります。岡山県と広島県を結ぶJR芸備線は、一部区間(東城~備後落合)で100円の収入に対して1万5000円以上の経費がかかるとされ、JR西日本管内でワーストの0.6%という収支率です(2022年度までの3年間 JR西日本公表)。JR西日本はこの区間を含む備後庄原~備中神代間68.5キロについて、今後のあり方を地元と協議したい意向を2023年に示していました。そして2023年に施行された「改正地域公共交通活性化再生法」のもとで、事業者のJR西日本と沿線の地元自治体が参加し、政府が調整する形となる「再構築協議会」が全国の先陣を切って設置される見通しとなりました。 鉄道として維持できないとなればバスなどへの転換というのが、これまでの「定石」でしたが、ドライバー不足のいまは簡単なことではありません。自治体の財政負担の問題も絡み、議論の行方が注目されます。