2024年 注目の鉄道ニュースは? 新幹線開業に新型新幹線・特急車両のデビューも
■宇都宮LRT 今春快速運転開始予定 期待される「進化」
2023年8月、次世代型路面電車LRTとして栃木県の宇都宮市と芳賀町の間で開業した「ライトライン」。路面電車の新規開業は国内で75年ぶり、また全国初の全線新設LRT開業ということで注目を集めました。開業から4か月が過ぎましたが、当初の予想を上回る好調な利用状況が続いていて、運営する「宇都宮ライトレール」によると12月も平日は約13000人(ほぼ予測通り)、休日は約11000人(予測の約2.5倍)の利用があるということです。 2024年春にも予定されるダイヤ改正では運行本数の増加や快速列車の運行が検討されています。また当初計画よりもゆとりをもたせ、開業時全線48分(各駅停車)とした所要時間の短縮も期待されます。とりわけ路面電車の快速運転は珍しく、どんなダイヤになるのか、注目されます。 さらなる乗客の増加につなげられれば、繁華街や官公庁のある宇都宮駅西側への延伸機運も高まりそうです。
■101歳のSL「ハチロク」 惜しまれつつ引退へ
1922年(大正11年)に製造され、現在日本で運行するSLの中で最も古い車体といわれるJR九州のSL8620形蒸気機関車「58654号機」。「ハチロク」の愛称で親しまれました。 一度引退するも1988年に復活し、2005年まで「SLあそBOY」として熊本から阿蘇地方へ豊肥本線を、2009年からは「SL人吉」として熊本から人吉へ肥薩線を走ってきました。肥薩線が2020年に球磨川の豪雨災害で被災した後は、鹿児島本線(鳥栖~熊本)で活躍しています。 しかし老朽化に加え、部品の調達が難しくなっているため、2024年3月でいよいよ運行終了となります。 101歳のSLが走る雄姿はまもなく見納めとなります。
■JRの特急消えゆく「自由席」 指定席予約の“改善”急務では?
いま全国的な傾向となっているのは、JR各社が新幹線・特急の自由席を廃止し全車指定席とする動きです。すでにこの年末年始から東海道・山陽新幹線「のぞみ」の全車指定席化がスタートしました。今後も年末年始だけでなく、ゴールデンウイークやお盆期間も全車指定席になります。また3月16日のダイヤ改正からはJR北海道の特急「北斗」「すずらん」「おおぞら」「とかち」、JR東日本の房総方面への特急、そしてJR西日本の「サンダーバード」「しらさぎ」「スーパーはくと」「スーパーいなば」「やくも」など1年を通じて自由席が消え、全車指定席となります。これで首都圏ではJR東日本の在来線特急から自由席が全て消えることになります。 自由席よりも指定席の料金の方が高くなるケースがほとんどですが、JR各社はネットで購入できる割引の拡充などで「負担感」を抑えようとしています。しかし高齢者などネット購入に不慣れな方にとっては負担増となりそうです。 JR各社は「乗車前に長い時間並ぶ必要がなくなる」「始発駅に近い方が座れるといった不公平感の解消」など理由にあげますが、車内でのきっぷのチェックなどの効率化を図る狙いもあると考えられます。ところが指定席化を進める一方で、指定席を販売するみどりの窓口を急速に減らしている状況もあります。各社はインターネット購入や指定席券売機の利用を呼びかけますが、利用者目線でいうと一部の予約サイトの使い勝手は必ずしも良いものではなく、改善は急務と言えます。