山下舜平大、柴田獅子、山城航太郎...ドラフト指名続出! 福岡大大濠が誇る投手育成の極意
福岡県で近年、毎年のように好投手を輩出している高校がある。春5回、夏3回の甲子園出場を誇る福岡大大濠高だ。今年は、投げては最速149キロ、打っては高校通算19本塁打の二刀流・柴田獅子(れお/3年)が、日本ハムからドラフト1位指名を受けた。OBの最速154キロ右腕・山城航太郎(法政大4年)も同6位指名と、来年は北の大地での共闘が見られるかもしれない。 【写真】実力派の野球美女たち。私服・ユニフォーム姿の厳選カット集(19枚) 【指揮官が重要視する「考える力」】 恩師の八木啓伸監督は、ふたりの愛弟子がプロへの扉をこじ開けたことに安堵の表情を浮かべた。 「柴田に関しては、私が思い描いていた高校時代での到達点に余力を残して到達できたと思っています。山城は高校時代、おもに野手だったのですが、本人は投手をやりたいという意思を強く持っていました。大学3年までは思うような結果が出なかったので『腐らずに頑張れ』という話をしていたのですが、4年で結果が出て、望んでいたプロというステージで野球ができる機会をいただいたので、柴田とはちょっと違う嬉しさがありますね」 福岡大大濠の専用グラウンドは、大濠公園のそばにある校舎から車で30分ほど離れた「九大学研都市駅」の近くにある。2008年に竣工し、5年後の2013年、隣に福岡大のグラウンドが完成したタイミングで外野が人工芝となったが、ウエイトルームは校舎にしかなく、「(水の特性を利用した体幹トレーニング器具の)ウォーターバッグがあるくらいですかね」と笑う。 そのような環境下で、なぜこんなにも好投手が生まれるのだろうか。八木監督はまず、選手たちの「考える力」に着目する。 「今はいろいろな情報がありますから。まずは自分に不足していることは何かを考えさせます。私からも『ここを強化すべきじゃないか』と求めているところを伝えたうえで、トレーニングの方向性が間違っているようだったら正していきます。私は選手たちが真っ直ぐに伸びるための"添え木"になれたらいいと思っています」