退職金や実母の貯金など4200万円を振り込む「優しい言葉で心の隙間に入られた」 好意を抱いた相手から“投資話”...被害者が語る『SNS型ロマンス詐欺』の実態
被害者の傾向は?接触に使うツールは?
こうしたSNS型ロマンス詐欺の被害は拡大しています。警察庁の資料によりますと、今年1月~5月だけで認知件数は1148件、被害額は約117.9億円です。ともに前年の同じ時期と比べてほぼ倍増しています。被害者の判断が悪かった、被害者がだまされやすいということではなく、手口が巧妙化して被害者が増えてしまっているのです。 被害者の男女比は男性61%・女性39%で男性の方が多く、年齢層は男性では60代が最多、女性では40代が最多となっています。 そして手口です。当初の接触ツールとしては「マッチングアプリ」が男女ともに一番多いです。フェイスブックやインスタグラムも割合が高くなっています。ただ、被害時には92%が「LINE」を使ってやり取りをしているということです。 SNSをめぐっては、“ニセモノ”にも注意が必要です。例えば、MBSの大吉洋平アナウンサーはフェイスブックをやっていませんが、本人を装ったニセのアカウントが存在します。投稿には大吉アナが会社のブログやインスタグラムに投稿した画像が使われていて、一見、本物のアカウントのように見えます。実は、このフェイスブックのアカウントから“友達”の申請をされたりラインを聞かれたりした人たちから「本人ですか?」という問い合わせがいくつかあり、判明しました。大吉アナはプラットフォーム側に会社を通して削除のリクエストをしていますが、削除されていません(7月4日時点)。
どんなに信頼する相手でも“お金の話”が出たら警戒を
近年はロマンス詐欺と投資詐欺が一体化したものが増えてきています。亀井正貴弁護士によりますと、以前は「私にお金を送って」が多かったのが、最近は「投資しない?」と声をかける、一体型になったものが多いということです。また、投資詐欺は立件が難しいとされます。それは、「まったく架空の話」と立証する必要があることに加えて、被害が非常に多いため警察が全てに対応するのが実質難しく、被害者の半分以上は泣き寝入りするということです。『組織的犯罪』『被害額が非常に大きい』『証拠がそろっている』といった場合は警察が動く可能性もありますが、全てには対応できないということです。 詐欺にあわないためにはどうすればよいのか。一般社団法人・詐欺防止ネットワークの松田俊也代表理事は「どんなに好きな相手でも“お金の話”が出たら、『おや?』と思ってください」とコメントしています。 (2024年7月4日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)