FPが試算!10月上昇確定の「変動金利型住宅ローン」…「5年ルール」「125%ルール」の落とし穴
返済中の「変動金利型の住宅ローン」の金利はどうなる?
10月、多くの住宅ローンでは、「変動金利」が引き上げられる見込みだ。返済中の住宅ローンへの影響があるのかないのか? あるならどれくらいか? ちゃんと想定しているだろうか? 【ヤバい…払えない!】これが、金利がある世界!? 半年ごとに0.25%ずつ3年間上昇すると… 「変動金利は、『5年ルール』があるから様子を見ようと思っているよ」。そう答えた貴方は、住宅ローンリテラシーが高いと言える。では、貴方のその「5年ルール」が終わるのはいつだろう。1年後? それとも、3年後? 変動金利タイプ特有の「5年ルール」や「125%ルール」など、”変動金利の仕組み”を正確に理解しているだろうか? 金利は今、上昇トレンドだ。上昇傾向が変わらなければ、5年ルールが満了するタイミングで返済額は確実に上昇する。その時点で125%ルールが発動して「未払利息」が発生するかもしれない。 まずは、「5年ルール」と「125%ルール」について、確認しておこう。 これらは統一された名称ではない。金融庁から住宅ローン契約に盛り込むようにと義務付けられているものでもないし、すべての金融機関が採用しているものでもない。実際、ソニー銀行やPayPay銀行、SBI新生銀行等は採用しておらず、それゆえ、自分の住宅ローン契約の中身が重要なのだ。 住宅ローンを変動金利で返済中ならば、即確認しよう。 ◆“変動金利の仕組み”を理解する 【5年ルール】 返済額5年ごと見直しルール:金利変動にかかわらず、返済額は5年間変わらない仕組み。 【125%ルール】 返済額見直し125%ルール:6年目に返済額が見直しされる際、金利が上昇していても、新返済額は従前の返済額の最大1.25倍までに抑えられる仕組み。しかし、返済額が抑えられると、未払いの利息(未払利息)が発生する。未払利息は、その後の返済期間において調整される。支払いが免除されるわけではない。 【借入れ金利の「見直し」と「反映される」タイミング】 多くの金融機関では、毎年4月1日と10月1日、各行の「ローン基準金利」に基づいて、住宅ローン金利が見直される。見直し時期が4月と10月の場合、返済額に反映されるのは、7月と1月となる。 ◆今回「5年ルール」の影響を受ける人とは? 10月の金利上昇によって、ダイレクトに影響を受けるのは、下記の場合だ。 ◇新規で住宅ローンを借り入れ、10月に融資実行となる場合 ◇返済開始後5年や10年が経過するなど、5年ルール終了のタイミング なお、5年ルールの節目ではない場合も、油断禁物だ。金利が上昇しても返済額は変わらないが、5年ルールのおかげで、返済額に占める利払いの割合が増え、元本返済に充当される額が減ってしまう。 「毎月10万円も返済しているのに、元本がなかなか減らない」ということになるのだ。 大手行をはじめ、変動型の住宅ローンの指標を短期プライムレート(短プラ)とする金融機関は多い。7月末に日銀が政策金利を0.25%引き上げたことを受けて、多くの金融機関が9月に短プラを引き上げた。 住宅ローン金利に影響が出るのは10月。すでに、10月の住宅ローン金利を発表している金融機関もあるが、大手行は9月30日の発表となる。なお、金利の見直し時期が10月となる場合、返済額に反映されるのは、1月だ。