KTMが自動マニュアルミッション「KTM AMT」を発表! 自動停止ACCとも連動、1290スーパーアドベンチャーに導入か?
オートモード時はアクセルとブレーキ操作だけ
一方、完全にシフト操作を自動化するオートモード。こちらは、ギア位置、エンジン速度、エンジントルク、傾斜角、加速度、車両速度、ピッチ角など、さまざまな車両情報を基に、バイクが適切なギアを自動で選択するという。 また、ライダーは、「COMFORT(コンフォート)」「STREET(ストリート」「SPORT(スポーツ)」といった3つのモードを選択可能。各モードでは、走行状況などに応じて、バイクが最適なシフトチェンジを自動で行う。 ちなみに、オートモードの作動中に、左ハンドルのパドルシフトを使えば、マニュアルモードに切り替えることも可能だ。この場合、完全自動のオートモードは約4秒間抑制され、その後アクティブなオートモードに戻る設定となっている。 ほかにも、オートモード作動中にスロットルをワイドオープンすると、システムがキックダウン機能をアクティブにし、より低いギアへ自動変更する機能なども採用する。高速道路などで追い越しをする場合などに、さらに鋭い加速力を発揮することができる機能だ。
ACCストップ&ゴーとの連動で安全性も向上
KTM AMTは、ボッシュが開発した新しい安全支援装備「ACCストップ&ゴー」と連携することもトピックだ。 ACCは、Adaptive cruise control(アダプティブ・クルーズコントロール)の略。高速道路などで設定速度を維持し、車間距離を自動で保持しながら先行車を追従する先進安全装備だ。2輪車では採用例がまだ少ないものの、KTMでは、他メーカーより比較的早く導入。2021年型の1290スーパーアドベンチャーにボッシュ製システムを導入している。 ただし、ボッシュ製をはじめとする従来のバイク用ACCでは、渋滞などで先行車が停止した場合、操作はライダーが自ら行う必要があった。30km/h以下の速度域では機能が解除されるからで、4輪車でいうところの渋滞追従機能または全車速追従機能は付いていなかった。 一方、2024年9月にボッシュが発表したACCストップ&ゴーでは、先行車が停止すると、システムが自動で減速しバイクも停止。先行車が3秒未満で再び発進すると、バイクも自動的に加速し発進を開始する。また、先行車の停止時間が3秒を超える場合は、ボタンを押すかスロットルを短く操作するだけで、バイクが追従走行を再開するという機能も持つ。 そして、KTM AMT搭載車であれば、こうしたACC作動中の自動停止でも、クラッチやシフト操作が不要。走行中から停止まで、ライダーはバランスを取ることに集中できるため、より安全性が向上するのだ。 こうした点から、ACCストップ&ゴーは、セミオートマ機構や(スクーターなどの)オートマ機構を搭載したバイクを前提とした機能だといえる。逆にいえば、KTM AMTは、最新の先進機能との連携も視野に入れて開発された新機能なのだろう。そして、これらが相互に関連し合うことで、ライダーの操作や疲労をより低減してくれる効果を期待できる。