三井E&S、港湾荷役機器で大型受注。マレーシア向け
三井E&Sは港湾荷役機器でマレーシア向け大型案件を獲得した。タンジュンペラパス港の運営企業PTPからは、環境対応型のタイヤ式電動門型クレーン(RTG)48基を受注。1回での同機器の受注基数としては過去最大となる。また、ポートクランのCT(コンテナターミナル)事業者ノースポートからは、環境対応型RTG12基を受注した。三井E&Sが9日発表した。 PTPはマレーシアの港湾・インフラ企業MMCと、デンマーク海運大手マースクグループのAPMターミナルズの合弁企業。グローバル市場での競争力強化へ港湾設備の刷新、脱炭素化に向けた荷役機器の電動化を進めている。 今回、三井E&Sが受注した環境対応型RTG「三井パセコトランステーナ」は、CO2(二酸化炭素)やディーゼル排気有害物質を排出しない完全電動クレーン。荷役時はヤード内の各レーンに設置されたバスバー(地上給電設備)から電力が供給される。レーンをまたがる移動時は一時的にバスバーからの電力供給ができなくなるため、小型エンジンを使用するのが一般的だが、今回のクレーンではリチウムイオンバッテリーを使用し、レーン変更時もCO2などを排出しない環境仕様となっている。 今回受注したクレーンは2025年7―9月期から順次納入予定。三井E&Sは22年にもPTPから同タイプのRTG35基を受注している。09年の11基も加え、PTPからのクレーン受注は累計94基まで積み上がった。 ノースポートはMMC子会社で、今回の12基は今後拡張するCTに設置する予定。 三井E&Sは21年から22年にかけて、電動型11基を含むRTG34基を受注し、納入を完了している。
日本海事新聞社