シャープ、全ての技術をつぎ込んだ「AQUOS R9 pro」--ライカ監修3眼カメラ、6色の「sense9」も
シャープは10月29日、「AQUOS R9 pro/sense9」を発表した。 いずれも夏に発表した「AQUOS R9」同様にデザイナー・三宅一成氏が設立した「miyake design」監修で、日本のほか台湾・インドネシア・シンガポールなどで発売する。 「AQUOS R9 pro」の概要 ライカ監修3眼カメラ採用のフラッグシップモデル「AQUOS R9 pro」 フラッグシップモデルとなるのAQUOS R9 proは、本体サイズが高さ約162mm×幅78mm×奥行き9.3mm、重さが約229gで、RAMは12GB、ROMは512GB、CPUは「Snapdragon 8s Gen 3 Mobile Platform」を搭載する。ベイパーチャンバーを採用した放熱システムと組み合わせ、データ容量が大きいアプリを複数起動してもスムーズな動作が続くという。 日本では12月上旬に、NTTドコモとSIMフリーモデルを展開する。SIMフリーモデルの市場価格(以降、価格は全て税込)は19万円台前半。 R9 proの特徴の1つとなるカメラは、ライカカメラが監修した標準・広角・望遠の3眼カメラで構成する「バリオ・ズミクロン」カメラシステムを搭載。3つのカメラすべてに5030万画素の高精細イメージセンサーを採用する。 なかでも標準カメラは、1インチを超える1/0.98インチのイメージセンサーを搭載し、夜景も明るく美しく撮影できる。また、広角カメラは122度の超広角撮影やマクロ撮影に、望遠カメラは光学2.8倍ズームに対応。デジタルズームの併用で最大20倍のズームが可能で、遠くの被写体もはっきり写せるという。 本体側面にはデジカメで実際に使われているパーツを使用したシャッターキーを搭載し、長押しでカメラアプリの起動、半押しでフォーカス固定などの操作が可能だ。撮影者のこだわりを素早く反応すべく、ボリュームキーでのズームの倍率、明るさなどの調整にも対応。一眼用のレンズフィルターを装着できるアタッチメントや、ショルダーストラップ対応ケースといった認定アクセサリーも用意する。 ディスプレイは1~240Hzに可変駆動するPro IGZO OLEDで、解像度をQuad HD+に強化。前モデル「AQUOS R8 pro」と比較して明るさが約1.5倍向上するなど、高精細かつ臨場感あふれる映像を楽しめる。大型のスピーカーBOXを上下に配置しつつ、レシーバー側となる上部のスピーカーBOXをフルメタル化することで音質も向上。バッテリー容量は5000mAhで、「おサイフケータイ」「NFC」「nanoSIM/eSIM(DSDV)」などにも対応する。 生成AIを活用した機能としては、独自の「電話アシスタント」を搭載。留守番電話を要約して表示するほか、会話の中からキーワードを自動抽出してメモとして残すことも可能。電話によるコミュニケーションをサポートするという。 6色展開のスタンダードモデル「AQUOS R9 pro」 スタンダードモデルとなるAQUOS sense9は、本体サイズが高さ約149mm×幅73mm×奥行き8.9mm、重さが約166gで、「MIL-STD-810H(耐衝撃落下はMIL-STD-810G)」に準拠した防水、耐衝撃仕様。CPUは「Snapdragon 7s Gen 2 Mobile Platform」で、RAMが6GB、ROMが128GBのモデルとRAMが8GB、ROMが256GBのモデルの2種類を用意する。 カラーは、カメラ周辺の色をアクセントとするバイカラーデザインを採用した「グレージュ」「ブルー」と、全体のトーンを同系色で揃える「ブラック」「ホワイト」「グリーン」「コーラル」の計6色を用意する。 日本では11月7日から順次、NTTドコモと「au」「UQ Mobile」「ソフトバンク」「楽天モバイル」などで展開するほか、11月21日にSIMフリーモデルを発売する。SIMフリーモデルの市場価格は、6GB/128GBモデルが6万円程度、8GB/256GBモデルが6万円台後半。 ディスプレイに「AQUOS sense」シリーズで初めてPro IGZO OLEDを採用し、1~240Hzに可変駆動。前モデル「AQUOS sense8」と比較して明るさが約4倍向上したほか、発光輝度効率が約4割向上、上下に配置したスピーカーは音圧が約2.4倍、低音が約2.8倍向上したという。 背面のカメラは、ともに5030万画素の標準・広角の2眼で構成する。標準カメラは集光量の大きい1/1.55インチのイメージセンサーと光学式手ブレ補正を搭載し、広角カメラは約2.5cmで接写できるマクロ撮影から超広角まで、幅広いシーンに対応可能だ。3200万画素のインカメラもナイトモードに対応し、イルミネーションなどの暗い場面でも高画質な自撮りを楽しめるとしている。 バッテリー容量は5000mAhで、おサイフケータイやNFC、nanoSIM/eSIM(DSDV)、「microSDカード」などにも対応。全6色のシリコン製純正ケースを用意し、カメラの周りの色と純正ケースで計36通りのコーディネートを楽しめるとしている。 「シャープの全ての技術をつぎ込んだ、ベストを尽くしたモデル」小林本部長 シャープ パーソナル通信事業部長の中江優晃氏は、「R9 proのコンセプトは『冒険』。本当にこだわりが強い、アクティブなユーザーにお勧めしたい。sense9は『ど真ん中』のスマホで、日常での使用には完全に十分な性能だ。できるだけ多くの方に使ってもらいたい」と説明する。 また、シャープ ユニバーサルネットワーク ビジネスグループ長 兼 通信事業本部長の小林繁氏は、「上半期に出した2機種(『AQUOS R9/wish4』)は、ともに大変好評をいただいており、絶好調に売れている。特にR9は、世界的にハイエンドスマホの需要が伸び悩んでいるなか、昨年(前機種『AQUOS R8』)と比較して3倍のペース」と好調をアピールする。 一方、ハイエンドスマホが売れにくいなかで更なる上位機種を投入することに勝算があるのかという問いに対して、「R9 proはスマホというよりもカメラという認識で、技術の最先端を攻めていく上で非常に重要。R9 proのようなスマホが作れないと、スタンダード、スタンダードハイといわれるゾーンの“いい画質のスマホ”も作れない。世の中にある技術、シャープが持っている全ての技術をつぎ込んだベストを尽くしたモデルで、ブランド効果も非常に大きいはず。少し前は『シャープのカメラってどうなの?』と思われていた時期もあったかもしれないが、近年はライカとのコラボの効果もあり、非常に評判が上がっていることを実感している。世界のトップ集団に留まることができるために必要な商品」と話す。 さらに、「多くはないかもしれないが、本当に1番よいものを求めるお客様、熱烈なファンはいる。大事にしていきたい」(小林氏)と加えた。