肩こりや腰痛の「トリガーポイント」って何? 見つけ方や対処法を柔道整復師が解説!
トリガーポイントの見つけ方
編集部: トリガーポイントは、どのようにして見つけるのですか? 金井先生: あくまでも私のやり方ですが、まずは痛い部分を含め、その周辺を触ってみます。例えば、肩が痛い場合には、肩関節の後ろだけではなく前や脇の下など、広くトリガーポイントを探してみます。すると、米粒大~うずら玉くらいのコリコリとしたものが見つかると思います。それがトリガーポイントであると考えます。 編集部: そのほか、トリガーポイントを見つけるコツはありますか? 金井先生: そのポイントを押したとき、痛みがほかの場所にも広がればトリガーポイントである可能性が高いと思います。それ以外にも、筋肉を縮めたときに症状が出るポイントを探す方法もあります。 編集部: 肩こりの場合、トリガーポイントはどのあたりにあることが多いのですか? 金井先生: 肩甲骨に沿って見つかることが多いと思います。また、首の付け根と肩先を結んだ線の中央あたりにある肩井(けんせい)というツボあたりに見つかることもあります。そのほか、首の裏の、後頭部に近いところにもトリガーポイントが見つかることもあります。 編集部: 腰痛の場合には、どのあたりにトリガーポイントがあるのですか? 金井先生: 腰が痛い場合には、腰椎に沿って広く探してみます。骨盤の外側にある腸骨と骨盤の中心にある仙骨を結ぶ仙腸関節のあたりに見つかることもありますし、背中の中央やお尻のあたりに見つかることもあります。
トリガーポイントの改善法と注意点
編集部: トリガーポイントを放置するとどうなるのですか? 金井先生: 痛みが慢性化するだけでなく、トリガーポイントを中心に筋肉がこわばって硬くなり、関節の可動域が制限されたり、血行障害をもたらしたりします。また、痛みが広範囲に広がったり、疲労感、冷え、自律神経の乱れ、筋力低下などを引き起こしたりすることもあります。頭痛やめまいのほか、腰にトリガーポイントがあれば下肢のしびれや痛みが生じることもあります。 編集部: トリガーポイントはどのように改善するのですか? 金井先生: 鍼灸やマッサージのほか、トリガーポイント注射や筋膜リリースなどの施術があります。また、患部に超音波を当て、深部の筋肉にアプローチをするという方法もあります。それぞれメリットが異なりますので、症状などに応じて選択しましょう。 編集部: 一度の施術で良くなるのでしょうか? 金井先生: 場合によっては施術を一度受けただけで、劇的に症状が改善することもあります。反対に、複数回の施術が必要な場合もあります。特に複数のトリガーポイントが関与している場合は、症状が長引くこともあるでしょう。根気良く続け、症状の改善を目指しましょう。 編集部: トリガーポイントができないように気をつけることはありますか? 金井先生: 「正しい姿勢を維持すること」と「適度な運動をすること」が大切です。特に運動不足の状態が続くと体内に老廃物が溜まって筋肉が硬くなったり、筋力が低下して正しい姿勢を維持するのが難しくなったりします。また、「ストレスを溜めないこと」「良質な睡眠をとること」「栄養状態をよくすること」なども心がけましょう。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 金井先生: 日々の生活での負担が積み重なったり、悪い姿勢を続けたりすることで、トリガーポイントが作られます。ただし、一般の人には痛みが起きてもそれがトリガーポイントによるものなのか、または何らかの疾患や外傷によるものなのか、判断がつかないこともあると思います。そのような場合には、専門家を頼ってほしいです。根本的な原因を探り当て、適切な施術を受けることで症状が楽になると思いますので、気軽にご相談ください。