選抜優勝・大阪桐蔭、貫禄の白星発進で公式戦無敗継続中 名取凛之輔主将「目指しているのは花園での優勝」
第104回全国高校ラグビー2回戦(30日、大阪桐蔭44-12長崎北陽台、花園Ⅰ)2回戦16試合が行われ、6大会ぶり2度目の優勝、史上5校目の春冬連覇を狙うAシードの大阪桐蔭(大阪第1)が長崎北陽台に44─12で快勝した。春の選抜大会を制するなど今季は公式戦無敗で、高校日本代表候補9人を擁する最強世代が盤石の戦いで3回戦に駒を進めた。Bシードの常翔学園(大阪第3)は高知中央に81─14で大勝。ノーシードの報徳学園(兵庫)はBシードの目黒学院(東京第1)を28─12で破った。 春の王者に慢心はない。選抜大会で優勝した大阪桐蔭が貫禄の白星発進。CTB名取凛之輔主将(3年)は冷静に振り返った。 「初戦からいい試合の入りができた。後半に2本トライを取られてしまったのは、全員で修正していきたい」 高校日本代表候補9人を擁するタレント軍団が、Aシード校の実力を示した。光ったのは、強靱(きょうじん)なフィジカルを生かした堅固ディフェンス。1回戦で10トライを挙げた長崎北陽台を後半23分以降の2トライに抑えた。攻撃では前半2分にパスをつないでWTB須田琥珀(こはく、2年)が左隅に飛び込む先制トライ。計7トライを重ね、準優勝、4強各1度の相手を突き放した。 今季の大阪桐蔭は圧倒的な強さを誇る。3月の全国選抜大会で優勝。石見智翠館(島根)との決勝は55─3の大差で制した。5月には海外勢も参戦するサニックス・ワールドユース大会を制覇した。新チームが発足してから、公式戦無敗を継続している。それでも、チームの合言葉は「チャレンジャー」だ。 高校日本代表候補に名を連ねる名取は「春に優勝して日本一になって、サニックスを制しても僕たちは満足していない。タイトルを取っただけ。チャレンジする側だと思って、泥臭くひたむきにプレーし続けたい」と力を込める。1年時からレギュラーとして花園でプレーしてきたが、前々回大会は準々決勝、前回は準決勝で敗退。悔しい思いを味わってきた最後の花園に懸ける思いは強い。 来年1月1日の3回戦は、2回戦で65得点を奪って勢いに乗る倉敷(岡山)と対戦する。名取は「目指しているのは花園での優勝。チャレンジャーとして、一戦一戦を勝ち抜いていきたい」と気を引き締めた。すっかりおなじみとなった白色を基調としたジャージーをまとった最強の挑戦者たちが、春冬連覇に向けて白星街道を突き進む。(鈴木和希)
★春秋2冠達成なら史上5校目 春の選抜大会、冬の全国大会を同一年度に制する春冬2冠は、これまで常翔啓光学園(2001年度は啓光学園、08年度)、東海大大阪仰星(06、15年度はともに東海大仰星)、東福岡(09、10、14、16年度)、桐蔭学園(19、23年度)が達成。今大会で大阪桐蔭が成し遂げれば、史上5校目となる。