「正しいことをしたはずなのに」内部通報・厚労省への公益通報で4年間続く仕事干し…MRの涙の訴え
会社の不正に気づき上司に報告・相談、「内部通報」⇒パワハラを受け、退職勧奨される
正しいことをした人が報われる世の中であってほしい――そう多くの人が思うことだろう。しかし、それがままならないことが現実にはある。 「家族に誇れる会社で働きたい」…伊藤忠のイスラエルへの協力にNOを突きつけた! ある社員の思い 企業の不正について公益通報した後、仕事を干されるなどの不当な扱いを受け、訴訟を行っているのがX(旧Twitter)アカウント名「小林まる」さんだ。 小林さんは、外資系製薬会社・アレクシオンファーマ合同会社にMR(同社では希少疾病に特化した高度な知識を必要とするため、「MCC」と呼称)として’13年に入社した。 事の発端は、小林さんが入社直後に、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を適応とする薬「ソリリス」に関する不正に気づいたこと。小林さんは上司に報告・相談、内部通報したが、パワハラを受け、退職勧奨される。そこから事態は悪化していく。 「ソリリスに非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)の効能が追加された’13年9月以降は会社ぐるみで適応外患者さんにも自社製品の使用を促進する不適切なプロモーション活動をするようになりました。適応外使用促進は薬機法に違反する行為で、実際に適応外の患者さんの死亡が相次いだんです。 この状況を憂慮した4つの医学会からは、安易な適応外使用をしないようにという注意喚起が出ましたが、会社は一時的に不適切な資材の使用を控えたのみで、すぐに再開、強化しました」 (小林さん、以下同) ◆アレクシオン日本法人に内部通報⇒内部通報が困難になる「確認書への署名」を要求される⇒米国親会社に内部通報 顧客からのクレームもあったが、会社の対応は変わらず、小林さんは’16年3月にアレクシオンの日本法人に内部通報を行う。しかし、逆に内部通報が困難になる確認書への署名を要求された、小林さんは署名せずに、アレクシオンファーマシューティカルズ(米国親会社)に内部通報した。 その米国会社では第三者機関として、長島・大野・常松法律事務所に調査させると連絡してきたが、「調査とは名ばかりで、重大な不正を調査の範囲外とする調査結果でした」。 ◆エスカレートするパワハラ⇒厚生労働省に「公益通報」 そこからパワハラはエスカレートしたが、小林さんは適切な情報を得られずに適応外患者が死んでいくのを看過できず、’17年2月以降、厚生労働省に公益通報したという。