守りの要、CB岩田琉唯が掲げた「プレミア残留」と「選手権日本一」。静岡学園がインハイ王者相手に自信を重ねる80分間
[8.13 ECLOGA 2024 IN ナラディーア 静岡学園高 1-1 昌平高 ナラディーア] 【写真】「可愛すぎて悶絶」「金メダル」「新しいジャケ写かと」大物歌手が日本代表ユニ姿を披露 新たな自信を掴む80分間となった。静岡学園高はインターハイ優勝校の昌平高相手にボールを保持し、個人技を活かした仕掛けからシュートを連発。CB岩田琉唯(3年=1FC川越水上公園出身)は、「(昌平は)凄い力あって、やってみて凄い上手いチームだった」と振り返るが、気持ちの部分を含めて相手を上回ろうという姿勢が表現できたと感じたようだ。 手応えは「ありました」ときっぱり。「攻撃のところはサイドからガンガン仕掛けてチャンス作れたのと、あと守備面で前から行くのが課題だったんですけど、結構前からのプレスで引っかけることが多くて、それが良かった」と説明する。 昌平のセンターフォワードはインターハイ決勝で決勝点を決めている注目FW鄭志錫(3年)。「前向かせると、やっぱり身体もあってやられちゃうと思うんで、その前で、ファーストタッチとかも触らせないぐらいの気持ちでやりました」と岩田は言う。 前半は大半の時間を敵陣でプレー。再三ゴールに迫ったものの、セットプレーからの1点のみに留まってしまい、川口修監督も「あれで2、3点取らなきゃいけない」と指摘する。後半もより突破、シュート数を増やしていたのは静岡学園の方だった。だが、ボールを保持される時間が増え、鄭に起点を作られるシーンも。また、セットプレーで失点したことも課題になった。 だが、昌平の元日本代表FW玉田圭司監督も「やっぱり個性があるっていいですよね」と讃えたように、静岡学園はともに巧さの光る右SB野田裕人主将(3年)と左SB鵜澤浬(3年)、左のドリブラー、MF加藤佑基(3年)、「ボール拾えるし、繋げる」(川口監督)というMF堀川隼(3年)をはじめ各選手が特長を発揮。最終ラインの要になっている岩田も、川口監督が評価するプレーを見せていた。 「副キャプテンもやってて、それでチームを引っ張るっていうか、そういったところの自覚っていうのが、だんだん芽生えてきたかなって思います」。岩田は180cm弱と特別なサイズこそないものの、ビルドアップで差を作り出すことができ、前へ出る守備やカバーリングでもチームに貢献している。また、この日は先制ヘッド。インターハイ3回戦でもヘディング弾を決めているDFが再び強敵のゴールを破った。 静岡学園は今年、プレミアリーグWESTで開幕5連敗からスタート。Jリーグクラブ内定3選手を擁した昨年から主力が大きく入れ替わり、チームは苦戦を強いられた。だが、野田らけが人が復帰し、チームは上向きに。プレミアリーグは第6節以降の6試合を3勝1分2敗と巻き返し、インターハイでは怪我明けの野田の出場時間を制限しながらもベスト8へ進出した。その後の北海道遠征含めて状態がさらに良くなっている。 岩田はシーズン後半戦へ向け、「プレミアは絶対残留。そこはもう最低でもしないといけないことで、チームとして掲げてるのは日本一ってとこなんで、選手権までに個人としても、チームとしても、もっと完成度高くして日本一目指せるようにしたいです」。自信を重ねる静岡学園がこの夏、個の力、チーム力をさらに高めて秋冬の戦いに臨む。