【太りにくい体づくり】「血糖値へ影響しにくい間食」賢い選び方を管理栄養士に聞く
仕事や勉強の息抜きに間食を食べるとき、「気づいたらお菓子を1袋完食してしまった……」という経験をされたことがある方も多いと思います。特にダイエット中や糖尿病の方は、間食のカロリーや血糖値の上昇が気になるところです。そこで今回は、日々の間食で血糖値を上げないコツや食品選びについて管理栄養士の飯田優季さんに伺いました。 [この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]
間食は血糖値にどんな影響がある? 血糖値が急激に上がるとどうなる?
編集部: 血糖値はなぜ上がるのでしょうか? 飯田さん: 私たちが食事を摂ると、消化によって作られたブドウ糖が血液中に入り、血糖値が上昇します。特にジュースや甘いお菓子など糖質が多い食品は、消化されてブドウ糖になるまでの時間が短いので急激に血糖値を上げる特徴があります。 編集部: 血糖値が急激に上がると、どうなるのでしょう? 飯田さん: 私たちの体に存在する機構で、一定の状態を保とうとする「恒常性(ホメオスタシス)」が働き、急上昇した血糖値を元の値に急いで戻すための大量のインスリンが分泌されます。血糖値の乱高下が激しくなる状態を「血糖値スパイク」と呼びますが、この状態だと動脈硬化や脳卒中、自律神経を乱すなどのリスクが高くなるので注意が必要です。 編集部: 間食は血糖値にどんな影響を及ぼしますか? 飯田さん: 血糖値は食事を終えて時間が経つにしたがって徐々に下がっていきます。しかし、例えば17時に間食を食べることで血糖値が上昇し、下がりきる前の18時食事を摂るなどをすれば、1日を通して血糖値が高くなってしまう場合もあります。
間食は摂っても良い? 間食を選ぶときのポイントと間食のメリット
編集部: どうしても食事と食事の間にお腹がすいてしまうので間食したいのですが、血糖値が上がるなら食べないほうが良いですか? 飯田さん: そんなことはありません。スナック菓子のようなお菓子ではなく、不足しがちな栄養素を補う食品を選ぶようにすれば、空腹感を抑えるだけでなく栄養バランスの改善にもつながります。 編集部: どんなことを意識して間食選びをすればよいでしょうか? 飯田さん: 最近では糖質やカロリーを抑えたスイーツやドリンクが増えていますが「ノンカロリー」や「カロリーゼロ」と表示されていても、少量(100ml中5kcal未満)のエネルギーが含まれています。つまりドリンクを1本(500ml)飲めば、約20kcalを摂っているのと同じということなので注意が必要です。 編集部: 例えば残業のときによくお菓子を食べがちですが、我慢した方がいいですか? 飯田さん: 残業となると、家に帰宅するころには最後の食事からだいぶ時間が空いてしまいますよね。お腹がすいた状態が長時間続くと、体が無意識のうちに「今は飢餓状態だ」と錯覚し、次の食事に含まれる栄養素(糖質、脂質など)を必要以上に吸収してしまう可能性があります。その予防策として、食事の間隔が大きく空くことが分かっているときは、主食となるおにぎりなどを間食で摂りましょう。また、間食で摂取した主食分を食事で調整することで、食べすぎを防げます。 編集部: そのほかに間食を食べてもいいタイミングはありますか? 飯田さん: 間食を摂る時間は、食事から2時間後が目安となります。なぜなら、食事後血糖値が上昇してすい臓から分泌されるインスリンの働きにより、血糖値が肝臓や筋肉組織に吸収されてエネルギーとして利用されるまでの時間がおおよそ2時間と言われるためです。消化吸収が終わり血糖値が下がるこのタイミングで小腹が空きやすいので、間食を摂りましょう。また、間食を摂ることで下がった血糖値を安定させ、同時に小腹も満たせます。