「プロ野球90年」ロックバンド「サカナクション」」のボーカル・山口一郎さんが語るディープなドラゴンズ愛「ナゴヤ球場に広告が出せて夢みたい」
▽立浪監督に憧れた 憧れたのは立浪和義現監督。僕らの世代にとってはスターで、守備も打撃も憧れでしたね。高卒でいきなりレギュラーで、ゴールデングラブ賞を取っている。とんでもない。 名場面はやっぱり、2006年に巨人の上原浩治から打ったサヨナラ満塁ホームランでしょう。あの上原が、うなだれちゃってマウンドから立ち上がれない。巨人戦が特別なのは今も変わらないです。あのときは気持ち良かった。 ▽野球と音楽 実はミュージシャン同士の交流はそんなに多くないんですよ。でも野球が好きっていうだけで距離が縮まる。そういう部分で、コミュニケーションのツールとして野球はすごくいいですよね。急に仲良くなれるというか。 四六時中音楽のことを考えて生活しています。僕は音楽のことを仕事と思っていなくて、自分の好きなことを続けているという気持ちでやれているのが幸せなんですけど、あまりに音楽のことばかり考えちゃうと、頭がパンクするというか、遊びがなくなるんです。でも、野球は音楽と離れたところにあって、好きなものとして楽しめる。釣りもそうだけど、癒やしとして僕の生活の中で大事なものだし、離れられないものになってます。
根尾昂選手の「モス」など、登場曲で自分の曲を使ってくれるのはうれしいですよね。選手がどのミュージシャンの曲を使っているかは気になります。「この選手はああいうのが好きなんだ」とか、「この選手は『ミセス・グリーン・アップル』なんだ」とか。「ずっとこういうの聞いてきたのかな」というカルチャーに対してのストーリーみたいなものが気になったりします。 ▽いい時も悪い時も 全国ツアーで名古屋に行ったときに診てもらうことがある医師の先生がナゴヤドームでの仕事もされていて、病院に選手のサインがあったりして、治療中にドラゴンズ話でめちゃくちゃ盛り上がった。その時に「2軍に看板出してるんだよ」って言われて、「いいな、僕も出したいな」と言ったら、「聞いてあげるよ」って。その先生の紹介で広告が出せた。ナゴヤ球場って、僕らの世代には思い出の球場なんですよ。そこに自分の広告が出せて、夢みたいな話で本当にうれしかった。