岸田首相が政倫審で謝罪、再発防止へ今国会で法改正-政治資金問題
(ブルームバーグ): 岸田文雄首相は29日、衆院政治倫理審査会に出席し、自民党派閥の政治資金問題が政治不信を引き起こしているとして謝罪した上で、再発防止へ今国会での政治資金規正法改正を目指す考えを示した。現職の首相が政倫審で弁明するのは初めて。
岸田首相は一連の問題について「党総裁として心からおわびを申し上げる」と述べた。今後の対応について、悪質な事例では「政治家本人も責任を負う法改正を行う」と語った。収支報告書の不記載が判明した議員の処分に関しては、説明責任の果たし方も踏まえて判断するとした。
同審査会は安倍派や二階派の幹部5人が出席する方向で調整していたが、審議公開の方法などを巡る与野党の調整が難航。28日に岸田首相が報道関係者にも公開して自ら説明する意向を表明して事態収拾に動き、他の5人も首相に追随した。与党は政治資金問題に一定の区切りをつけた上で2024年度予算案について週内の衆院通過を目指す構えだが、野党側は審議時間が十分ではないと主張し、日程調整が続いている。
政倫審は、議員が行為規範や法令に違反し、政治的道義的な責任がないか審査し、勧告を行う機関。審査は過去に9回開催された。
29日は首相に続いて二階派の武田良太元総務相も弁明を行った。3月1日も午前9時から西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官ら安倍派の4人に対する審査が開催される。
他の首相発言
--取材協力:萩原ゆき.
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