【ジロ・デ・イタリア2024 レースレポート:第13ステージ】分断からの復活。そして区間3勝目。ミランが改めて最速の証明を果たす。「一人ひとりが自分の役割を全うした。チームのみんなを誇りに思う」
まさに計画通りに、残り400m、コンソンニは先頭で発射台作業に取り掛かる。その直後に、フェルナンド・ガビリア(モビスター)が奇襲を仕掛けるも、あくまでミランは冷静に立ち回った。むしろライバルを発射台代わりに使うと、自らの最適な位置、ラスト200mでトップスピードへと切り替えた。横風分断による影響など微塵も感じさせなかった。その速さと、その巨大なる存在感とで、すべてを圧倒した。
27歳にして生まれて初めてのグランツールを戦うスタニスワフ・アニオコウスキ(コフィディス)が、生まれて初めての区間2位に滑り込み、フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス )が3位に続いた。さんざんポイント収集に励み、分断時にはチーム総出で働いたグローブスは、肝心の最終ストレートでは後方に沈んだ。16位で1日を締めくくり……フィニッシュでは1点もポイントを得られなかった。
昨大会は区間1勝でマリア・チクラミーノを持ち帰ったミランは、今年はすでに3勝目を上げ、いまやポイント賞争いでも2位グローブス以下に110ポイントもの大差をつける。もはや今ジロに敵なしの俊足にとって、残す勝機は2回。ただし次のスプリントは、3週目の木曜日までお預け。日曜日からは、いよいよ本格的な山越えが始まる。ドロミテの険しい峰々を、昨大会同様、チーム一丸となって乗り越えねばならない。
その前に、第14ステージの、個人タイムトライアルが待っている。2週目初日の大逃げで総合ひと桁台後半に少し動きがあったこと、キアン・アイデブルックス(ヴィスマ・リースアバイク)が新人ジャージ姿のまま体調不良で大会を去ったこと以外は、完全に停滞していた総合争いがいよいよ動き出す。クライマーたちには少々難解なフラットTTが、タイム差を大きくかき回すはずだ。
「明日のステージが楽しみだ。気分は落ちついているし、前回のTTを制したおかげで自信もある。前回のコースに比べたら僕向きではないけど、どうなるかな。またいい走りがしたいし、ともかく、バイクの上で好感覚をつかめるよう願ってる」(ポガチャル) 文:宮本あさか
宮本 あさか
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