お歳暮を贈る時期は? うっかり贈りそびれたらどうする?【お歳暮のマナー】大人の品格マナー講師・末永貴美子さんインタビュー
お歳暮をいただいた場合の対応は?
お歳暮をもらったら、できるだけ早急にお礼状を書きましょう。お礼状には、時候の挨拶や、お相手の近況をたずねる言葉のほか、お歳暮をいただいたお礼を必ず書き添えます。 お歳暮は基本的に、お世話になっている方が、お世話してくださっている方に贈るもの。本来、一方通行で贈るものですので、品物のお返しをする必要はありません。昨今は友だち同士でお歳暮を贈り合うこともあるようですが、あまり多くないケースです
正しい“のし”の掛け方は?
お歳暮の“のし”は、右側の紙が上になるように掛けるのが正しい方法です。箱を裏返し、右から開けられるように、右を上にします。左側が上になるとお葬式の掛け方になってしまうので、注意しましょう。 なお、お店などで「のしはどうされますか?」と聞かれることがあると思いますが、のしは基本的につけるものと覚えておきましょう。デパートなどから贈る場合は、配送伝票を貼るために、品物の箱に直接のし紙を掛け、その上から包装紙で包む「内のし」が一般的。手渡しの場合は「外のし」が多いようです。
お歳暮を失礼なくやめる方法は?
「縁が切れたら贈らないで良い」とされるお歳暮ですが、突然やめてしまうのは失礼なのでは…と考える人も少なくないようです。 突然やめるのが気になる場合や、「今年はお歳暮がないけど大丈夫かな?」と心配されるような間柄であれば、手紙でお知らせするのがおすすめです。お歳暮の添え状に「今年で最後にさせていただきます」と記してもいいですし、年賀状のような形で伝えるのもいいでしょう。お互いに良い印象を保つための丁寧な方法といえます。 相手が両親や兄弟など気の知れた間柄の場合は、「来年からなしにさせてもらってもいいですか?」と本音でお話をしてもいいのではないでしょうか。 また、お歳暮は1年の総括になりますので、お中元とお歳暮の両方を贈っている場合は、まずお中元をやめ、お歳暮を3年くらい贈ってから徐々にフェイドアウトする、という方法もあります。
手渡しする際のタイミングと挨拶は?
手渡しをする場合でも、贈る時期に違いはありません。「本年もお世話になりました」という挨拶を添え、品物を贈りましょう。 本来、お歳暮は手渡しするのが最も格式高いといわれていますが、昨今は配送することが増えてきました。相手との関係性によっては、手渡しにしたほうがいいケースもあります。 目上の方々との良い関係を保つためにも、大切に贈りたいお歳暮。失礼のないように準備をして、1年を気持ち良く終えられるといいですね。 取材・文=吉田あき