60歳を過ぎて「書」を始めたダイアモンド☆ユカイ、子育ては“半卒業”… 大物ロッカーの引退が後押しに
危機感を大いに煽った大物の引退
日本でも人気のロックバンド、エアロスミスのボーカル、スティーブン・タイラー(76)だ。 エアロスミスは映画「アルマゲドン」(1998年)の主題歌「ミス・ア・シング(原題:I Don't Want to Miss a Thing)」の大ヒットなどで知られるバンドで、1973年にデビューした大ベテラン。長く活動を続けてきたが、昨年9月、不動のボーカリストだったスティーブンがコンサート中に咽頭を骨折したため、ツアーをキャンセル。スティーブンは復帰に向けて治療を続けていたものの、声が以前の状態に戻ることは不可能と判断し、今年8月、エアロスミスはツアー活動から引退することを宣言した。 「スティーブンの引退は、かなりショックだった。ビートルズに憧れて音楽を始め、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーのカッコ良さを知った時は『これだ!』と思い、いろんなボーカリストに影響を受けてきたけど、振り替わってみると、実は一番影響を受けたボーカリストはスティーブン・タイラーだったんだ」 エアロスミスは昨年までツアーを続けていた。スティーブンは75歳にしてステージに立ち、シャウトしながらハードな曲を歌っていたが、コンサート中の不慮の負傷により、天賦の声帯を失ってしまった。このことがユカイに“残された時間”について深く考えさせることになった。 「もともと還暦を迎えた時に『体が動き、声が出るのもあと10年ぐらいかな』とは思っていたんだ。還暦を機に改めて残された人生で何をやるかを考え、自分の使命はロックを歌うことだと思った。じゃあ、誰とやるか。俺の音楽人生で最も重要な仲間、レッド・ウオリアーズとして一緒にやってきたシャケ(木暮武彦、ギター)しかいない。だから声をかけ、一緒に酒を飲みながらゆっくり話し合い、『俺たちがやれることをやろうよ』と、2人でユニット、『ダイアモンドシェイク(Diamond Shake)』を始めたんだ」 60歳を迎えた時に“残された時間”について意識はしていたユカイだったが、その危機感を一段階、いや最高ランクまで上げたのがスティーブン引退のニュースだった。 高齢をものともせずツアーを続けていたスティーブンが、ある日突然声を失い、もう二度と以前のように歌えなくなったというニュースは、ユカイの危機感を大いに煽った。 そして、ちょうど子育てについて迷っていたユカイに、“子育て半卒業”の決意をさせる。 「子育てはもちろんこれからも続くし、いつまでたってもヤツらが俺のかわいい子供たちであることは変わらない。どの親にも来る、子供との距離感を変える時期が来ていたのに、具体的な行動に移せないでいた。そんな俺の重い腰が、スティーブンの引退ニュースによって一気に上がったってことだね。こうしてはいられない。残された時間で、俺は俺のやるべきこともやらなければいけないと」