NBA人気選手カリー「人類は月面着陸していない」都市伝説発言を巡って全米大騒動
「実際、講演をすると月面着陸のことや地球は平らだといったことを持ち出す人々に多く顔を合わせてきた。その時は、とても面白いと思った。だが、人々がそういったことを信じて何が起きるのか、と言うと、“気候変動は事実ではない”とか、“ワクチンや9・11(アメリカ同時多発テロ)は政府の陰謀だ”といったように、もっと重要な事柄についても(陰謀説を)信じるようになる。だから、あなたが発言した後に、科学に目を向けさせる上でも、こうした会話を持つことがとても大切なのだ。我々の子供、国、経済にとって科学はとても大切なことだ」 カリーもその意見に同意。「人々に科学を疑わせるような冗談やコメントはもうしたくない」と謝罪を繰り返した。 元宇宙飛行士は、このインスタライブ後に自らのツイッターに「カリーと素晴らしい会話ができた。宇宙や(科学、数学領域に重点をおいた)STEM教育についての考えを共有できて楽しめた。 さあ今度は月で3ポイントシュートを打つとどうなるかについて話そう! 地球の6分の1の重力だから3ポイントシュートのラインは142フィート(約43.3メートル)でコートはフットボールフィールド2つ分の長さであるべきだ。どう思う?」とのコメントを掲載している。 2017年には、NBA、ボストン・セルティックスのカイリー・アービングが「地球は平らだ」との発言を繰り返して騒動となり謝罪する事態に発展したこともあるが、有名アスリートの発言の社会的影響力は大きい。 スポーツイラストレイテッド誌は「科学の能力(に関する話題)は冗談にはならない問題で、カリーやアービングといった有名な人々は自分達の発言に気をつけなければならない。身内の中だけで冗談を言うのであれば楽しいだろう」と、今回のカリーの軽はずみな発言に釘を刺した。 今回の騒動を受けたファンの反応も様々で「カリーはNASAに行きたかっただけじゃないの?」という軽いものから、「いち早く謝罪して、冗談でも陰謀論を信じることが有害な影響をもたらすことに言及してくれたカリーに感謝。彼には、あのようなことは言ってほしくなかったけど、これが間違いを犯したあとにできる最良のこと」といったカリーの発言後の行動を評価する反応もあった。中には「都市伝説」発言が、社会問題にまで発展したことに、「これはどれくらい長く続くストーリーなの?」と、あきれたようなコメントまでが、各メディアのツイッターに寄せられた。 ちなみにアポロ計画に関しては、近年、人工衛星により月面に残された着陸船の跡などが確認されており、空気のない月面で星条旗がはためいていること(真空状態でもそう見える実験データもあり)などを理由に「人類は月面に行っていない」とする「都市伝説」がウソであることは科学的に証明されている。 日本では「M-1グランプリ」の審査員である上沼恵美子へのとろサーモンの久保田かずのぶと、スーパーマラドーナの武智の誹謗中傷発言の問題が収拾のつかない状態になっているが、口は災いの元であることを有名人ほど、自覚しなければならないのかもしれない。