鹿児島県 絵本『ふがに水』自費出版 「伝統を子や孫に残したい」 知名町の西田瑞恵さん 母校へ寄贈
【沖永良部】知名町田皆字在住の西田瑞恵さん(76)が、戦後の暮らしを描いた絵本『ふがに水(みじ)』を自費出版し、母校の田皆小学校(畦元千穂子校長、児童30人)へ寄贈した。 西田さんは元小学校教諭。3歳の孫のために絵本作りに初めて挑戦した。題名の「ふがに水」は、正月の朝一番にくむ水のことで、地下を流れる川「暗川(クラゴー)」へその水をくみに行くことが、子どもの頃の楽しい思い出だったという。 絵本は、自身の子どもの頃の体験をもとに制作。暗川に集まる住民たちの様子や島の自然、お祈りをしているユタの姿など一つ一つ思い出しながら、自らイラストと文章にしていった。
3日、田皆小を訪れ、子どもたちに絵本を手渡した。各世帯に1冊ずつ配布する。 同小2年の松元道慈朗さん(8)は「絵本が大好き。早く読みたい」と笑顔。 西田さんは「田皆字の伝統を子や孫に残したくて絵本にした。今の生活と比べてみて、この絵本から何かを感じ取ってくれたらうれしい」と話した。 絵本はA4版、19ページ。70部作成。今後島内で販売する予定。