リスク高すぎる「グロース市場のリバウンド狙い」 金融引き締め見通せない今は「押し目買い戦略」でいい
【兜町地獄耳】 証券ライター 今週の株式市場は、警戒している投資家が多そうだ。 地場証券アナリスト それはそうだろ。日米の金融政策を決定する会合が控えているからな。 ライター どう見ているんだ? アナリスト 先週は、カナダの中央銀行が政策金利を5%から4・75%に引き下げた。利下げは、コロナ禍の2020年3月以来、4年3カ月ぶりだ。米国の重要経済指標でも物価の沈静化がうかがえるから、年内利下げを期待できるんじゃないか? ライター 確かに、それを期待して、NYダウもリバウンドしているな。 アナリスト ただ、問題は13~14日にかけて行われる日銀金融政策決定会合だ。ここでは、長期国債の買い入れ額減額が議論される可能性が高い。この予測報道を受けて、外国為替市場では円高が進み、日本株市場は株安に見舞われている。 ライター 外資系の通信社が取材をもとに流した報道だよな。一説には、日銀によるリークとのウワサも流れている。国債の買い入れ額が減額されると、教科書的には国債の価格が下落し、金利は上昇することになる。金利上昇は株価にとって天敵だよな。 アナリスト 教科書的には確かにその通りだ。ただ、この報道を受けて、長期金利は1%台を割り込んだんだ。 ライター なぜだ? アナリスト そこには米国の金融政策や、直近の円安や株安などが複雑に絡み合っているようだ。 ライター それは投資家としては、動きづらいな。株価がどちらに動くのか、まったく見当がつかない。 アナリスト とはいえ、確かなことは米国が確実に利下げに向かっているということだ。一方で、日本は「金利のある世界」、つまり金融正常化に向かっているが、本格的な金融引き締めは来年以降との見方が支配的だ。 ライター ということは、株式投資家はどのような行動を取るべきなんだ? アナリスト 目先は乱高下がありそうだが、基本的には押し目買いの戦略でいいと思うよ。 ライター 材料株や中小型株中心のグロース市場なんかは、かなり下げているが、ここが絶好の買い場と見ていいのか?