2万人に1人の難病を抱え生まれた少年「僕はなんで白いの?」 家族がありのままの姿をSNSで発信を続ける理由とは
アルビノとは、生まれつき体の色素が不足している状態のこと。2万人に1人の難病とされ、生まれたときから皮膚や髪、眼の色が薄い状態です。 【写真5枚】生まれた頃(@8._.brothersさんより提供) @8._.brothersさんは、アルビノとして生まれたりっくんについてInstagramで発信しています。 今回はりっくんについて、@8._.brothersさんに話を聞きました。
白い髪に白い肌
りっくんは元気いっぱいで好奇心旺盛な男の子。一方で繊細な部分もあり、芯の通った男の子です。 生まれたとき、白い髪に白い肌であることから、産院の先生がアルビノだろうと大学病院を紹介してくれました。そこでの遺伝子検査の結果、アルビノだと診断されたのです。 りっくんがアルビノであることを知ったとき、お兄ちゃんやお姉ちゃんたちは「何で白いの?」という疑問はあったものの「可愛いね」と抱っこの奪い合いだったといいます。家族全員が何も変わりなく、アルビノであるりっくんに愛情を注ぎました。 りっくんは日焼けに気をつける必要があります。そのため、雨の日や室内にいるとき以外は、日焼け止めを塗るか、上着を羽織るといった対策をしています。 また、眩しさの対策として遮光眼鏡をかけ、外へ出るときは帽子も必需品。遠視と乱視があるため、度が入っているレンズを使っていますが、見え方に関しては眼鏡をかけてもかけてなくてもあまり変わりないようです。
SNSをきっかけに、アルビノを知ってもらいたい
@8._.brothersさんは、アルビノを知ってほしいという思いから、SNSでの発信を始めました。そのためには、たくさんの人にアルビノであるりっくんを見てもらうことで、見慣れ馴染んでもらい、アルビノの子が当たり前にいるという日常をつくりたかったといいます。 そんな思いで投稿を続けて3年、変わってきたと思うことがあるそうです。 3年前は、白い肌に白い髪で生まれた、そんな見た目からか外へ出ても1度も可愛いという言葉をかけられたことはなかったといいます。それどころか、二度見三度見は当たり前で「あの子何で白いの?」と子どもが両親に聞けば「そんなの言ったらいけないよ」の声が聞こえる日々でした。 @8._.brothersさんは、そんな言葉を聞きたくないし、兄弟たちにも聞かせたくないと思いました。そして、りっくんやほかの兄弟たちがその言葉の意味がわかる年齢になったら…と考えるととてもいたたまれない気持ちになったといいます。 「こういった子もいるよ」と知ってもらいたいという思いから始めたSNSでしたが、少数ではあるものの「いいね稼ぎ」「子どもを見世物にして」「アルビノでかわいそう」といったコメントもあったそうです。 それでも、1番多かったのは、アルビノの見た目を「きれいですね」と褒めてくれるようなコメントでした。しかし褒めるような言葉に対しては「それは失礼だからそういうコメントは控えたほうがいい」という意見もあり、ほかの人たちが指摘し合うやりとりも多かったのです。 そんなやりとりを見るたびに「アルビノだから褒めてはいけないの?」とりっくんを否定されているようで、すごくつらかったという@8._.brothersさん。 そんなりっくんは、幼稚園に入ってから周りの友達との違いが分かるようになりました。 「りっくんは何で白いの?」と言うようになり、そのときには「生まれたときから白いんよ。でも、みんな違って当たり前なんよ」と説明したといいます。 そして、そういうときは「ほら、みんなもカッコイイね~かわいいね~って言いよるよ。りっくんのその白い髪、ほんとにかっこいいね」と言ってコメント欄を見せることもありました。 多くの人からのこのようなコメントが、りっくんが自分の色を好きなことの理由の一つだといいます。 発信を続けたことで、りっくん自身は特に変わりありませんが、周りの環境には変化がありました。 @8._.brothersさんは、りっくんをそこにいて当たり前の存在として育てていくには、周りの環境がとても大事だと考えています。そのためには、まず家族が自信をもって「自分の弟だ」「自分の息子だ」と言えること、そして周りからも「かわいいね~」「かっこいいね~」と言われるような環境で育てたかったそう。 その環境づくりを手助けしたのがSNSで、若い子たちへの周知を後押ししたのがTikTokだったのです。