ミセス「コロンブス炎上」を見た海外の“意外な反応”…感謝された日本人と批判された日本人
ネットで巻き起こった論争
そして、Xで英語のコメントを見てみても、この問題が紹介されている記事、もしくはコメントに対しての投稿は、やはり日本のような批判が大半ということはなかった。 コメントが多く見られたのは、社会的な意見を投稿するアカウントに対してよりも、アニメやJ-POPなど日本文化を愛するアカウントで、今回の炎上現象を「僕らの大好きなカルチャーを潰す」と批判的に見ている意見もたくさんあった。 「左翼が過剰に反応しすぎだ。自国のカルチャーの悪いところを必死に探している連中がいる」 「日本の素晴らしい曲を潰す奴らは、コロンブスを悪者にしたい政治団体の連中と気が合うようだ」 実際には、日本での炎上は、政治思想に関係なく起こったものだが、この炎上自体に陰謀めいたものを感じる人々もいるのが、いかにもネット世論だ。 中には、「コロンブスが猿に文化を教えた場面は、西洋諸国が他国に自国の価値観に押し付けた植民地主義の教科書的な定義に見える。ただ、それを強く批判すると、それもまた価値観の押し付けになってしまう。その二重基準よりも、自分の判断を持つべきだ」と呼びかけるものもあった。 批判殺到の日本と比べると、国外ではもっと多様な意見が広がっている。これを見ると、今回の問題を通じて、いろいろ学べる要素があり、取り返しのつかない大失敗というわけでもない。 バンド側はあまり深く考えずにビデオを作り、批判に対してもズレた見解を持っているようだが、国際的な感覚で見なければいけないテーマは、日本国内だけではなく、海外の見解もキャッチできるほうがより広い視点でモノを見られるだろう。
片岡 亮(フリージャーナリスト)